ChatGPTから思ったような回答が引き出せない理由とは?日本語(国語力)が鍵!
ITの進化で産業構造の変化も加速する
先日、あるサポート依頼者の方から「ようやくパソコンを買い替えようと思ってカタログなどを見たけど、以前にあれこれ勉強していたことは何の役にも立たず、完全に"浦島太郎"状態になっています。」といわれました。
それもそのはず、ここ10年でIT技術は想像を超える進化をしています。10年前の技術がすでに過去のものになる勢いです。ITの技術革新はまだまだ発展途上でアーキテクチャは年ごとにものすごい勢いで変化し、あっという間に陳腐化していきます。
それに合わせるかのようにコンピュータ関連の産業というのも流動的で、消滅するメーカー、再編するメーカー、吸収されるメーカーなど目まぐるしく変わっています。ようやく名前を覚えたメーカーがいつの間にか消えているということは業界では日常茶飯事です。
また、日本のPCメーカーの多くは海外に生産委託するようになり、事実上国内PCメーカー製パソコンの部品はほとんど海外製品で、ブランドを維持した上でバッジエンジニアリング化されています。
自動車の技術革新をすでに超えたITの進化
これほどIT産業が流動的になっている要因は何かというと、ITイノベーションにはまだ相当の”伸びしろ”があるという背景があるからです。
その伸びしろは、今後AIによってさらに天井が高くなって、近い将来に頭打ちすることはまだないと考えていいでしょう。
例えば自動車などの内燃機関はほぼ技術的にはほとんどやりつくしたと考えられています。それに比べて、現在ITでは量子コンピュータをはじめとする次世代技術の研究が進み、一部では実証実験や限定的な商用利用も始まって、想像できないくらいの進化の途上にあります。
そういう事実関係から、私個人的には今現在のITの現状を自動車の歴史で例えるとフォードが量産を始めた位、飛行機で言えば複葉機が出始めた位の時期に相当すると思っています。どんな業界でも黎明期にはメーカーは乱立するものです。しかし市場の熟成に伴い再編、合併吸収、消滅などを繰り返してやがて大手数社などに落ち着いてきます。
つまり現在の流動化の激しいIT業界の現状を見ると技術的な成熟度はまだ「黎明期」の域を出ていないといえるでしょう。そのため、成長速度が速くなるのも当然といえば当然です。
実際、CPU技術はあっという間に刷新されて行きます。今では数十コアというような考えられない性能のCPUが民生用として登場している事実をみても、量子コンピュータがSFの世界だとは言えない現実味があります。
さらに近年では生成AIの急速な発展が、その変化の速さを象徴しています。わずか数年前までは研究用途や一部の専門家向けだったAIが、現在では文章作成、画像生成、翻訳、プログラム開発支援、業務自動化など一般利用者の手元で日常的に利用されるようになりました。
しかもAIの性能向上は年単位どころか数か月単位で進んでおり、昨日まで最先端だった技術が短期間で旧世代になる状況も珍しくありません。
自動車で考えるとわかりやすいのですが、最近の自動車は購入後10年目であってもデザインや性能がそれほど恥ずかしくはありません。極端に古いとは感じなくなってきていますし、充分乗れるくらいに耐久性も向上しています。日本の中古自動車が輸出されている外国では、10年目や走行10万kmの中古車は新車扱いだそうです。
エンジンや車体技術は成熟段階に入り、かつてほど劇的な変化は少なくなって差別化が難しくなってきています。現在の自動車の進化の度合いをタイムスケールで考えると、技術の成熟が進んだことによって緩やかな物になっていると思います。
ですからハイブリッド化による低燃費化や衝突回避、自動追尾などの安全装備の充実などでなんとか差別化をアピールしています。ところがそれらはどれも制御回路などコンピュータが欠かせない機能です。つまりそれらの技術的向上は自動車技術の向上というよりもITの進化そのものといえます。最近の半導体不足によってそういうことが一層はっきりと露呈してきています。
それに加えて電気自動車の台頭や厳しさが増す排出ガス規制など環境問題も追い打ちをかけ、自動車産業は大きな転換期を迎えているといえるでしょう。
IT化の波でこれからの自動車は「走るデバイス」化することは避けられません。すでに最新の自動車は数十個から百個近いコンピュータを搭載しており、ソフトウェアによって機能が決まる「走るデバイス」へと変化しつつあります。要するにこれからの自動車産業は自動車を作るのではなく「走るデバイス」を作ることになるでしょう。
人の生活スタイルに大変革をもたらすITの進化
コンピュータや携帯端末は自動車と同じように生活必需品として既に浸透しています。次々と訪れるOSやブラウザなどのサポート終了、Windows11のように厳しさが増すシステム要件を見てもその変化の激しさは実感できると思います。
しかし、10年そこらでハードウェアのプラットフォームのように4世代、5世代も基本構成が変わっていく、そして次々寿命を迎えてしまう現状は、さすがに従事者から見ても変化が速すぎる感があります。さらに音声対応デバイスや高速ネットワーク対応デバイスなどが加わって多様化の波も押し寄せています。
要するに他の産業や人間の生活形態、生活様式などの変化と比較してITの進化は時間軸がずれているという感覚です。もしくは進化のタイムスケールが早すぎる(短か過ぎる)ために様々な混乱が生じる可能性が出ているのだと思います。
これまで、自動車などの製品開発は人々の生活を見据えて行われてきました。人々の生活様式が製品づくりに反映され商品化されるというのが順番でこれまでの常識でした。しかし、ITについては人々の生活がITに反映されるよりも、ITの進化が人々の生活スタイルそのものを変えています。
その一例ですが、つい10年ほど前まではレンタルDVD店にドラマや映画を借りに毎週末のように通うのが生活スタイルの一部という人も多かったと思います。しかし今ではネット回線の高速化が進みPCの処理能力も向上して高画質でネット動画配信が可能になり、その習慣も完全になくなりました。その分車を出すこともなくなったわけです。
さらに近年では生成AIの普及によって、文章作成や翻訳、画像制作、プログラミング支援なども大きく変わり始めています。
AIも同様です。以前は専門知識を持つ人しかできなかった文章作成や資料作成、翻訳、画像制作、プログラミング支援などが、AIを活用することで誰でも短時間で行えるようになりました。
AIの進化で仕事の進め方や学習方法そのものが変わり始めています。企業においても、これまで人が行っていた業務の一部をAIが補助することが当たり前になりつつあり、働き方そのものが大きな転換点を迎えています。
ITの進化によってこれまでの常識を覆すことが今、実際に様々な形で起きているのです。
特にAIは、過去のパソコンやインターネットの普及に匹敵する技術革新になる可能性があります。将来的には、パソコンやスマートフォンを直接操作するのではなく、AIに指示することで様々なサービスや機器が自動的に連携する時代が訪れるかもしれません。
これからは、これまで常識と思っていたものが次々と過去のものになってなっていくでしょう。ITとのかかわりは現代人にとっていっそう重要なものになっていくと思います。
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