残業問題、コスト削減はまずIT端末の環境改善から始める

古賀竜一

古賀竜一

テーマ:専門家からの提言と考察

軽い動作の早いPC端末は都市伝説か?

●サポート対応で遭遇する数多くのパソコン端末。そのほとんどが動作が重い、おそい状態にあります。軽快にサクサクっと動くパソコンというものにはほとんどお目にかかれません。というか、そもそもサポートが必要なほどおかしくなるパソコンの状態というのは、重くておそいからこそトラブルになっていると言ってもいいでしょう。

●ところが、ある日、ユーザーの方からこんなことを言われました。
「軽く動くパソコンなんていうのは見たことが無いし、今までそういうパソコンと出会ったこともない。」
会社などで与えられるPC端末はコスト削減のために低性能で処理が遅かったり、古くても改善や増強などを行わず使いっぱなしであることも珍しくありません。そのようなものを年中使っているためか、パソコンというのはじっと待っていなくてはいけないのが普通だと思いこんでしまっているようです。軽くサクサクと動作するパソコンの存在自体がまるで都市伝説であるかのように思われるくらいに、劣悪な状態のパソコンというものが蔓延しています。

●確かに、今時のメーカー製パソコンはプリインストールソフトだらけのものが多く、購入時から動作が重たく遅いという実態になっています。これは新型PCへ買い換えれば問題が解決すると思っていたユーザーの、すがる様な思いを打ち砕くのに十分過ぎる程といえるでしょう。

●また、ノートパソコン、一体型デスクトップPCの一部ではモバイル用のパーツ構成になっていて、通常のパソコンと比較してパフォーマンスが劣っています。そのためにどんなに最新型であろうと、CPUやメモリ、HDDが高性能、高容量であろうともサクサク感といえるような動作とは程遠いものが多いのです。

サクサク動くPC端末は実在する

●それでも、中には自作やBTO(Build To Order)パソコンなどで快適なものを使ったことがあるユーザーも確かに居て、「サクサク動くパソコン」の存在を知っている人も一定数います。

●私のメインマシンも3年ほど前に自分で組んだもので高速かつ快適にサクサクと動いていて、これまでトラブルらしいトラブルも発生していません。

●そういう立場からサポート現場で遭遇する異常な状態のパソコン端末を見ていますから、その異常ぶりというのがどんなものか分かるというわけです。

快適動作のPC端末の状態はこれだ!

●その存在さえ信じられていない、サクサクと動いてトラブらないパソコンの状態とはどう言う状態なのでしょうか。
以下の図は、Windowsタスクマネージャでそのパソコンの状態を示したものです。



●メモリ搭載量8GB、CPUはCore i7。Windows 7 Pro SP1 OEM 64bit のPCです。社内ネットワーク環境のクライアントPCとしての位置付けです。セキュリティーソフトは常駐しています。

●上の図は、アイドル状態(稼動していても何も負荷が掛かっていない状態)要するに何も作業をしていない状態のものですが、CPU使用率は8コアすべてで0%、物理メモリ使用率は15%となっていて、環境として理想的な状態といえます。
※事業用端末では、業務用アプリ常駐のため若干プラスされる。



●上の図はプロセスを示しています。プロセス数は20個。ウィンドウ内に項目が納まっています。バックグラウンド(システム)プロセスを入れても55です。



※タスクマネージャの出し方はタスクバー内で右クリックしてタスクマネージャの起動をクリックする。

システムが異常な状態の場合

●もし、アイドル状態でCPUが常に50%、100%とせわしく動く、低い%数値でも常に一定数(25%、50%、100%で張付く)になっていたり、物理メモリ量が起動直後にもかかわらず80%以上になっているとしたらそのパソコンは明らかに重くなっていたり動作がおそいはずです。

●その場合、常駐物が多過ぎる、何かトラブルが起こっている、もしくはウイルス、スパイウェア、マルウェアなどが侵入している可能性が高いといえます。

●また、プロセス一覧がスクロールが必要なほどたくさん表示されているとしたら、常駐物が多過ぎる傾向にあります。できるだけウィンドウ内ですべての表示が納まる程度が望ましいでしょう。

端末の改善で労働環境の改善と、コスト削減

●おそい端末というのは時間を浪費し、トラブルの温床になり、イライラの原因となって百害あって一利なしです。そのようなPC端末を業務で使っている事業所は、改善することによって様々な処理時間が短くなり、遅い端末が原因で業務時間が冗長した結果発生していた不必要な毎日の残業も減らせる可能性があります。

●起動時間、ネットの速度、稼動中の処理速度などを比較すると1日あたり30分~1時間位の差が出る可能性があります。それをのべ人数と年間日数で考えるとどれほどの時間的、コスト的、さらには環境的な改善になるか計り知れないでしょう。

●まだ、地方ではITについての正しい理解が進んでいない事業所も多いようです。これから激変していく世界情勢や国内情勢に対応していくためにも、地方においても正しい理解と迅速な行動が必要です。

九州インターワークス 注目のページ
「パソコンがおそい、固まる主な原因」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/osoi.htm

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

古賀竜一プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

古賀竜一
専門家

古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

コンピューターサポートのプロ

古賀竜一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼