周辺機器、パーツは中古と新品どちらを買うべきか?種類別検証とその理由

古賀竜一

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テーマ:専門家からの提言と考察

●以前、中古パソコンの選び方をコラムで連載いたしましたが、常にアクセス数の上位になるようで関心が高いようです。しかし、中古購入で注意しなければならないのはパソコン本体だけではありません。

●周辺機器、パーツなども中古で十分なものと、中古はできるだけ避けたほうがいいものに分かれます。

●それはどのようなもので、またその理由は何か・・今回はこれまでのサポートの経験などを元に解説したいと思います。

中古で十分なもの

○CPU、メモリ
CPUやメモリは正常動作していたものならば、稼動実績がある分中古でも十分です。パーツの中でも故障の確率としては低いほうです。メモリエラーなどはよくあるトラブルですが、ほかのトラブルに比べると最近ではそこまで多くはありません。

ショップによっては中古で購入した場合でも、初期不良対応に応じてもらえるところが多いので安心できるパーツです。

注意点としては、オーバークロックなどでダメージがあるものは寿命が短い傾向があります。しかし、これは購入前に判別は不可能です。そのようなものを掴まない予防策としては、オーバークロックで人気がある型番のものは、できるだけ避けるということです。

○無線LAN親機、子機
無線LAN(WiFi)の機器類は故障が無いわけではありませんが中古でも正常に稼働する物が多いので、選択の余地は有ります。ですが、今では新品でも相当な安さですから、古いネットワーク規格、無線規格のものをあえて中古で買うこともないでしょう。

中古で購入する場合、なるべく年式が新しく、当時の上級機種で明らかに安価ならば、メリット感は有ります。



できるだけ中古で買うべきではないもの

○キーボード、マウス
キーボード・マウスは消耗品です。新品でも手頃な価格で入手が可能ですが、周辺機器の中でも圧倒的に使用負荷が大きいものです。そのため中古は、衛生面や消耗具合から言っても得策ではありません。また、無線式は送受信回路に故障も多く、寿命は短いといえます。有線式であっても内部回路が故障することはあります。要するに消耗品ということです。

きちんと整備やテストをされているものならば中古でも問題ありません。しかし、大切な用途で使用する場合はできるだけ新しい物を購入しましょう。



○電源ユニット
電源ユニットはPC構成パーツの中でも最も稼動負荷の高い部分です。四六時中電源を供給しているわけですから当然ですがその分、経年劣化も進みます。コンデンサの劣化で容量抜けを起こしていたりしますので、できれば中古は避けたいところ。

しかし、一時的な復旧のためであれば有効活用は出来ます。

○光学ドライブ
光学ドライブも、今では消耗品相当の扱いです。製品寿命から言っても新品導入が基本です。ローディング機構にゴムベルトを採用しているモデルは、中古で購入すると劣化によりローディング不良を起こしやすい傾向にあります。

○ディスプレー
液晶ディスプレーは新品でもかなり低価格で入手できます。また、最近のものはLED化で消費電力が低いことを考えても、以前の冷陰極管の中古は見劣りが著しいと思います。

寿命も長くはありませんので、できれば中古は避けたほうが良いでしょう。中古で購入するならば、LED方式で輝度が高く劣化が少ないものを選びましょう。

○プリンタ
プリンタは今時、新品でもかなりの低価格です。インク付きでもありますから、あえて中古を選ぶのは考え物です。しかし、インクの予備を大量に購入してしまっている場合は中古プリンタの活用で元が取れるかもしれません。

しかし、中古プリンタは、消耗が激しいものや廃インクタンクが限度に近いもの、ヘッドが傷んでいるものなどリスクも高いようです。いつ故障が来てもおかしくはありませんから大きな期待はしないほうが良いでしょう。



中古は絶対に避けたい物

○マザーボード
マザーボード、いわゆるメインボード類はコンピュータの心臓部と言えます。構成部品は多岐に及び様々な機能が盛り込まれています。そのため中古品にはどこかに問題がある可能性や確率が高くなります。コンデンサ、レギュレータ、クロック・ジェネレータなど部分的に劣化が始まっている場合もあります。

また、自作用のマザーボードは、配線パターンや基板上のチップの損傷、CPUソケットピンの曲がりなどがある場合があります。

更に、OSの認証が終わって間もないうちに中古ゆえに故障などが発生した場合、別のものに交換してしまうと再認証に手間がかかったり、事実上再認証ができなくなることもあります。

以上のような理由から、マザーボードの中古は避けたいものの一つになります。

○HDD
HDDの中古はメインマシンに使用することはお勧めできません。診断した結果問題ないHDDでも、SMART情報だけではわからない部分もあります。特に何らかの音が発生しているものはメインでの使用は相当なリスクです。

HDDは、新品でも価格はかなり安く入手しやすいので、あえて価格差もあまり大きくなくリスクのある中古品にする理由はどこにも見当たりません。



●中古品の入手はオークションも良いですが、きちんと手入れやテストをしている信頼のあるショップを見つけることが良い物を入手できる秘訣です。

●以上を参考にしていただき、中古品を有効活用して、節約生活の一助となれば幸いです。

九州インターワークス「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

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古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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