セキュリティー問題で揺れているインターネットエクスプローラの根本的な問題について
九州では想定外、でも北国では日常
●先日の寒波は九州地方でも数十年に一度という強烈なものでした。そこで、私が心配していたのが水道管の破裂です。
●私は、ITサポート専門家ですが、CADなどに関連して機械設備系の仕事も経験があり、給水装置主任技術者の国家資格も持っています。予想された各地の最低気温は水道や給湯管などが凍結で破裂し、漏水が起きても不思議ではないレベルです。これではきっと多くの家庭で漏水し、水道業者は手が回らなくなって大変な事になるに違いない・・と話をしていました。
●その予想は悪い方に大きくハズレてしまうことに・・・。まさか漏水を通り越して断水になろうとは・・・。市町村単位の広域の断水になるとは思ってもみなかったのです。しかし、なぜこんなことになったのでしょうか?
●今回のこの断水、ニュースではそれぞれの家庭の配管破裂による影響が原因だそうで、あまりにも漏水件数が多く人為的に止水せざるを得ないために起きているとのこと。寒波のレベルも違えば、被害のレベルもそれだけ大きかったということです。
●ところが九州では稀な寒波でもマイナス10度位ならば東北以北では冬場、日常的に観測されているはず。でも断水になることはありませんね。それは北国ではそのような想定できちんと備えがあるからです。
日頃の油断が原因に
●凍結による配管の破裂を防止するためには、配管にウレタンフォームや発泡材で作られた断熱材、保温材などを巻き、低温に晒されないようにする方法があります。また、配管を壁内やシャフトなど出来るだけ外気に触れない箇所に通しておくことでも影響を受けにくく出来ます。寒冷地ではヒーターを使った物もありますが九州の平地ではそこまでは必要ないでしょう。
●九州の田舎の市や町では古い家屋なども多く、壁内の配管が腐食でダメになったり、リフォームした際に新規の配管を屋外から露出で宅内に引き込むような施工が多く行われています。その際に一応、保温材を巻いて寒冷対策を行っているのですが、断熱材の厚みが十分でなく冷気が入り込んだり、材質が古くなって劣化し、隙間や破れが生じたりして断熱機能を失っているものも少なくありません。
●そのような部分が今回の寒波で次々と破裂していったと思われます。しかし、一般家庭ではそのような配管のことなど事前に知り対策ができるかといえば実際問題としては難しいでしょう。
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●さらに言えば、最近の温暖化傾向にある例年の寒波位では、そうそう配管を破裂させるような凍結にならなかったために、普段から配管の状況を把握することなく油断が生じていたということも原因の一つだと思います。
●ここまでは水道の話なのですが、実はITの運用管理の話にも同じようなことが言えるのです。
社会インフラとなったITも危機管理は例外ではない
●日頃から何事も起きない(と思い込んでいる)ITの運用管理状態の幸運な環境が長く続いた場合、どこかに根拠の無い安心感が生まれて人間の心には隙ができます。それまで良かったから当然これからも続く・・・という錯覚に陥るのです。そのため、これまでウイルスなんか来てないないから大丈夫・・・などと言っているうちに、今回の寒波のようにそれは突然やって来るのです。
●配管の断熱が不備になっていても幸運にも長年破裂には至らなかったと同じく、これまでが幸運に過ぎなかっただけというIT環境は多いものです。そういう場合、それまで何もやって来なかった分、データのバックアップやセキュリティー対策などの不備が露呈し直撃を受けてダメージが拡大してしまうのです。
●今回の漏水のように一軒の家の問題で済まなくなったように、端末1台だけの被害に留まらず、ネットワーク全体がダウンする、あるいはダウンさせなければいけなくなる・・という状態になるのです。やはり、日頃からの備えや点検、事前の対策などは特に社会インフラ化したITには必要です。実際に事が起きてからではその後が大変です。
●ITについても、地方は厳然として歴然と都市部より遅れています。インフラ化しているからこそ、一人ひとりが意識を高めていく必要があると思います。
九州インターワークス
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm