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PC、スマホ時代になおも君臨する「電卓」という圧倒的な存在
●皆さんは電卓をお持ちでしょうか? 電卓とはどこの家庭や事務所の机の上にもある、あの電卓のことです。
●パソコンが普及し始めた頃、電卓はこれからなくなっていくだろうと言われたことがありました。しかし、電卓はまだなくなっていません。それどころか今でも一人1台は所有しているのではないでしょうか? 百円ショップにもまだ豊富にラインナップされているし、メーカーからも様々な種類の電卓が今でも販売されています。事務所や事業所でも卓上にはパソコンと同時に電卓も並んでいて、必需品の一つになっています。
●ところが、パソコン、スマホ、タブレットなど大抵のIT機器には電卓機能があります。ネットでもGoogleで「電卓」と検索すると検索結果に電卓が表示されてそのままWeb上で実際に使用できます。それほどIT機器の電卓機能は普及しているにも関わらず、「電卓」そのものがなくならないのはなぜでしょうか?
●これには様々な理由が考えられますが、私が考えるものを3つ上げてみます。
1.圧倒的な手軽さ
●すぐに計算したい時、目の前にある電卓なら手元に取って計算するまで数秒とかかりません。大きさも手頃でその手軽さ故、手放せないメリットがあります。PC、スマホでも工夫次第で電卓機能の起動を早めることは出来ますが本当の電卓には及びません。特にアプリのショートカットを起動画面に出していなければ探すだけでももたつきます。
※Windows標準装備の「電卓」 アクセサリ内から起動できる。
2.確かな操作感
●パソコンやスマホの電卓は画面で操作します。しかし、タップやマウス操作というものはいわゆるフライバイワイヤ的となり、人間的な感覚の伝達が操作感として得にくいという性質が有ります。どういうことかというと電卓は実際に物理的にボタンを押すことによって入力します。その入力感に人間の感覚的な確かさが加わり、操作に対する安心感や信頼感が得られます。
●そのため、スマホやタブレット、PCのスクリーンキーボードには入力時に効果音やバイブ振動、表示の効果などを付加する、しないを選択する機能があります。そのくらいタップやクリックには操作感が得にくいという証拠です。
●これは違いとして決定的な要素でしょう。
3.信頼感
●電卓は単機能です。仕組みも簡単で、誰でも扱えて自分で制御できる機器です。その簡単な仕組みがかえって信頼感を生んでいます。パソコンやスマホはあくまでもコンピュータですから、なかなかすべてを信用できていません。実際にバグもありますし、操作一つで予期しないことになったりします。特に高齢の方は慣れなどもあって、電卓のほうが使いやすいということもあるかと思います。
それでなければならない「何か」を持つことの強み
●以上のように、電卓には「電卓であること」自体にその価値があるという面白い存在になっているのです。
●最近よく、パソコンはいらなくなった、スマホで十分という話が出てきます。しかしパソコンの存在意義を失わせるほどの、完成度の高い端末の登場はすぐにはないと思いますし、パソコンには既にパソコンしかできないことがあります。電卓の特徴の場合と同じように考えると、多少減ってもなくなることはない・・と言えるのではないでしょうか。
●電卓は、日本が高度経済成長の時に最もアグレッシブな商材として世界中に大きなインパクトを与えました。今でこそ、商材としては地味になりましたが、その存在はいまだに健在です。
●最近、消えていく職業やなくなる職種などがメディアで話題になっています。確かにこれからは少なくなっていくものもあると思います。しかし、それでなければならない「何か」を見つけることができれば、ニーズと合致するかもしれないし、新たな需要の喚起となるかもしれません。少し、視点を変えることで何か発見できるかもしれません。
●もし、今、仕事で行き詰まっているのならば、パソコンと対等以上に頑張っている机上の小さな「電卓」をリスペクトすることで、自己を啓発して新たなチャレンジをしてみるのも良いかもしれません。
パソコンの常識
「九州インターワークス」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/truestorys.htm