IT関連商品も充実の100円均一ショップ、価値ある使い方と利用法とは
皆が使っているものが本当に一番良いもの?
●ITで今問題になっているのは何といってもセキュリティーの問題。その中でも一番リスクを高める原因になっているものがあります。それは市場占有率です。要するに「シェア」と呼ばれるもので、ソフトウェアや機器などが他のライバルメーカーの物よりどれだけ多く売れたり使われているかという割合のこと。
●多く売れていたり使われていると言うことはそれだけ良い物という証拠・・と誰もが思ってしまうのですが、ITではそうとは限りません。多く使われている理由としてあるのが人とあわせることでわからないことを教えてもらえたり、ネットに情報が豊富にあるといったメリットです。
●また、流行のものを使いたいとか仲間外れにされたくないという理由もあります。そういう動機はその物の優劣とは関係ない部分のため本当に良いものの利用が広がらないという矛盾を生みます。
●それから他の理由としてあるのは、IT機器という性能評価が必要なものを選ぶことが詳しくないユーザーにとって敷居が高く難しいことがあります。単にみんなと同じものを使っていればとりあえず問題はないだろうということで選んでいることもあるでしょう。そうすることで選択する際に自分であれこれ悩んだり判断しなくても良くなり、気分的にも楽になるからかもしれません。
●そのような動機でなんでも人に合わせてしまいがちですが、ITではそれが問題になる場合があります。LINEやZoomなども普及初期のころはとても安全とは言えないアプリでした。ところがいきなりの急拡大でセキュリティー面について問題となって様々な修正が何度も行われました。
●WindowsやInternet Explorer、MS Office、Windows mailなど日本は諸外国と比べても異常とも思えるくらいの高い利用率です。これは日本特有の現象だそうで、他の国ではLinuxやChrome、Firefox、Thunderbirdが多いなど日本と比べて開放的で多彩です。
●人と同じことをしていれば安心・・これはいわゆる同調バイアスです。問題は皆が使っているならば、当然安全が確保されているのであろうという思い込みや先入観が支配してしまうことです。
●ITでは「使いやすい」「おもしろい」「便利」「安い」ということがシェア拡大の最大の要素になっていて、安全性や堅牢性をある程度犠牲にしてでもシェア獲得が正義であるという風潮も根強く、皆が使っているものが決していいとは限らなくなっています。
●安全性では無く、どれだけたくさんの人が使っているのかでシェアが拡大していくというITの傾向は、セキュリティー面からするとそれだけ狙われやすくなり、リスク拡大につながるのです。
優れているものが成功するわけではない典型的な例
●その昔、ビデオ規格のベータ、VHS戦争というのがありました。SONY陣営と松下陣営の家庭用ビデオの規格をめぐる競争でした。技術的にはベータのほうがサイズが小さく画質も優っていたにもかかわらず、この勝負は、サイズが大きくて画質で劣っていても営業的な面で成功したVHSが勝利を収めました。
●優れているものが成功するわけではない典型的な例として今でも語り継がれています。しかし、これは美談なのでしょうか?私はそうとは思えません。実はユーザーは損をしているのです。良い画質の上小さいサイズで保管出来るという二重のメリットが享受できていないからです。
●優れていないものが、同調バイアスで良いものを駆逐してしまうということも証明してしまっています。シェアという「みんなと同じでいたい」バイアスがユーザーの意識を固定化してしまった結果ともいえます。
●しかし、この勝負には後日談が・・・実は両者とも結果的には勝者とはならなかったのです。最終的に両方とも完璧に負けたのです。デジタルに。
●次のトレンドがやってくれば、以前のものは駆逐されます。その繰り返しにあるITにおいては、固定観念や先入観は障壁です。思い込みを助長させることで新たなリスクやリスク回避への足枷となってしまいます。
●今流行っていたり今使っているもの、仕組みが10年後にも通用していたり存在しているという確証はありません。それだけITは流動的で革新的な分野です。
●自分でもある程度考えたり判断することはこれからのあんぜんで安心なIT運用には不可欠です。
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