情報管理セミナーでの質疑で思ったこと
落とし穴はビギナーズラック経験
●最近、電話やネットでトラブルの対処法を教えてほしいという要望が多いのですが、簡単なことならば電話やメールなどでも対応が可能な場合もあります。しかし、ほとんどがどうにもならなくなった末のトラブルが多いだけに、それだけでは解決に不十分な場合があります。
●簡単に直せるような方法は既にネット上にはあふれていて、それで解決できることもありますが、問題はそれではどうにもならないようなトラブルが起きている場合です。ネットのQAサイトや相談コーナーはそんな行き詰った人達の悲鳴でいっぱいです。
●しかし、良く分かっていない人に多いのが、やり方を教えてくれさえすればあとは自分でやります・・というもの。その際に驚くのが、専門用語をなるべく使わないで!と言われることがあるのです。一体どこからがその人にとって専門用語になるのか判断に困ると同時に、そんなことでどうやって自分直そうというのかが疑問です。
●ネットの情報や知人のアドバイス以上の対処法は、当然専門の領域に入ることが多くなります。ところが、トラブルの際に偶然にもネットの情報で自分で対処して直ったことがあるという「ビギナーズラック」のような経験をしてしまった場合、気分はすでにちょっとした事情通になった気になるもので、そこが落とし穴になります。
●ネットの情報は表面だけの情報が多く、ネットには出せない情報は当然掲載されません。ですからそのような上澄みの情報だけで問題がすべて解決しようとしても、かならずどこかで行き詰ったり失敗したりするでしょう。
※最近激増の迷惑ツールの多重、複合被害
情報の「行間」を読む
●パソコンの修復やデータ復旧なども、同じようにやってはいけないことやタブーが存在するし、手順だけでは説明しきれないことがたくさんあるわけです。ところがマニュアルさえあればできるという人の危険な特徴は、「行間を読む」ということが欠落してしまうのです。
●自分でできれば費用もかからない、便利だと思うのは分かりますが、それにも限界というものがあります。ネット検索で解決しようとすれば特にそのような意識に付け込むマルウェアや迷惑ソフトの良い「カモ」にされ放題となっているのが実態です。
●迷惑ソフト被害の対処法というネットの情報には、更なる被害を与える罠情報やそのページ自体が危険なものも存在します。例えばドライバーの更新やファイルを修復するソフトなど、リテラシーがなければ判断ができずに事態を深刻化させたり重症化したりしてしまいます。
●また、対処法や解決策を掲載してあってもそれを利用できるだけのリテラシーがなければ、その情報は役に立てようがありません。また、コマンドや手順にも環境に応じて変更が必要な部分があります。例えばディレクトリ名やユーザー名などを適切に入力できなければコマンドは動作しません。
●ですから、教えてもらえばできるものとそうでないものというのがあるということを理解しておきましょう。例えば、パソコンでも部品交換の記事を見ながらできる人は良いですが、経験がなければノートパソコンのボトムパネルをはがすところから苦戦した挙句、破損させてしまうことになります。
●ネットの情報は、そのパネルを外せる人向けの記事であって、機種によってはパネルのはがし方を1から教えてくれている情報がない場合もざらにあるわけです。
●ネットの情報を利用する場合は情報の「行間」を読むことがいかにできるか、それが自分自身でパソコンのトラブルを解決する場合の最大のテーマです。
同じ様な情報に埋もれている本当の情報
●パソコントラブルを解決しようという場合には、情報収集のため当然ネット検索をするわけですが、検索結果にはどれも同じような内容しか出てこない時があります。
●検索で出て来るような方法はもう既に何度も試してみて解決しないというのに同じ解決法しか見当たらないことがあります。それでも解決方法を探し出せることもリテラシーの一つです。
●しかし、とても内容が理解できず自分ではできなそうな内容の情報の利用はやはりお勧めできません。何か間違いがあったらデータやシステムが喪失する可能性もあります。
●自分でやってみようという気概は尊重しますがそれに見合った結果となる保証はどこにもありません。無理は禁物です。パソコンで、おかしい?と思ったときが対処のタイミング。特に専門家への相談は重症化する前が費用も少なくて済みます。
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「パソコンがおそい、固まる主な原因」
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