信頼できるパソコン修理業者と信用できない場合の対応の違い、見分け方とは

古賀竜一

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テーマ:専門家からの提言と考察

いきなり電話で「いくらかかりますか?」

●ITサポート現場で一番困るのは、電話で突然いきなり「パソコン修理にいくらくらいかかりますか?」というお尋ねです。

●内容や状況など話をまだ何も伺ってないし、診断したわけでもないので「診断しないことには何ともお答えのしようがありません。」とお答えすると「起動しないんです」といわれる。

●そこで、「起動しないといってもどのように起動しないかなどいろいろと段階がありますので一度診断をさせてください」と言うと「大体で良いですから・・・」というのです。

●なのでそういう時は再度、「きちんとした診断をして原因を特定しないとどこが悪いのかもわからないし、部品交換が必要か、そうでないか・・などでもかかる費用が違ってきますから診断をさせていただかないとわかりません。」と言います。

●すると、どういうわけか「そうですか、わかりませんよね・・・わかりました!ガチャッ」といって突然電話を切ってしまわれることがあります。

●「わかりました!って・・・何がわかったのだろう?」と毎回不思議に思うわけでして、いまだにこの謎は解明が出来ていません。

パソコンサポート業は対応が乱暴な業者が乱立

●しかし、思い当たる節がありました。最近では修理一律1万円など、一律金額を謳うサポート業者が出てきているようなのです。さらには診断がワンコインとか完全無料というのも存在します。

●先の電話のお尋ねは、そのような業者のように一律の保証価格はいくらなのかということを聞きたかったのかもしれません。

●でも、出張診断を無料とか、すべてのサポートを一律料金で行うというのは、さすがに乱暴すぎではないのか?と疑問です。人様のビジネスですから文句を言うつもりはないのですが、果たしてユーザーにとってそれがプラスになるのかが疑問です。

●これはあるユーザーから聞いた話ですが、業者の中には、「修理にいくらくらいかかりますか?」とたずねると「いくらなら出せますか?」と答えた業者がいたそうです。これもかなり乱暴な対応ですね。

●そのような業者は一律とか無料だとか言いますが、実は後からなんだかんだと高額な請求になってしまうことがあります。そこに、裏付けのある真っ当な理由があれば別ですが、ユーザーの無知に付け込んで足元を見るような業者も実際にいます。

●その実態は最近問題になっている住宅リフォームや水道修理業者の構図とダブります。ユーザーと駆け引きをするような業者は技術的な背景でなく、営業面や収益面のみを重視しがちです。

ユーザーが業者へ駆け引きすると故障が直せない

●ところが、ユーザー側にも問題がある場合があります。症状やトラブルを小出しにしてしまうのです。

●診断前は「それまで問題なく動いていたのに突然起動しなくなった・・」というお話だけだったのに、いろいろと診断をしていてどうもおかしい部分がたくさん出てくることがあります。そこで、突然起動しなくなった意外に何か症状はありませんでしたか?と尋ねると、ウイルスソフトが警告していたとか、一度リカバリやアップグレードに失敗している・・など後から次々と告白を受けることがあります。

●これは、修理料金が高くなってしまうかもしれないと思ってのことだとは思いますが、隠していては問題は解決しないどころか解決が長引いたり完治しなくなってしまいます。



ITサポートの"3C"はサポート業者とユーザー間の信頼のため

●"3C"とはWebマーケティング用語にもありますが、ここでは私が提唱するサポート業者の心得とユーザーへの説明義務をあらわします。

●「故障の原因・理由(Cause)、修理内容(Contents)、価格(Cost)」のそれぞれの頭文字をとって"3C"です。

●要するに、「何が原因で、どうする必要があるのか、そしてそれにはいくらかかるのか」この3つををきちんとユーザーに示した上でサポートを行うことが良心的な対応と言えます。これができていない、やらない業者は警戒したほうが良いかもしれません。



●しかし、診断を元に作業を行っている最中に診断では見つからなかったトラブルが判明することがあります。そのような場合、説明が不足している業者は勝手にパーツなどを交換修理して、納品時に最初の約束と違う金額を提示することがあります。そして「もう修理は終わったから払ってね」という圧で文句を言わせないようにします。

●不測の事態は仕方がないことかもしれませんが、本来なら途中でトラブルが判明した時点でユーザーにパーツ交換や金額の変更などを報告するのが当たり前です。なぜなら、金額次第では買い替えたいと思ったり修理を断念する方針を選択したいかもしれません。

●しかし、良心的でない業者は「修理しない」という選択をされてしまうかもしれないということで連絡をせず、作業を進めて選択肢を奪うわけです。そのようなことは顧客中心ではなくとにかく売り上げにつなげたいという業者都合のやり方です。作業内容や金額などに変更などがあった場合は連絡を入れて作業を継続していいかどうか尋ねるのが良心的な対応です。そのような顧客の選択肢や都合を優先させるような業者が信頼できる業者といえるでしょう。

●「故障の原因・理由(Cause)、修理内容(Contents)、価格(Cost)」この"3C"ができているかどうかは、サポートを依頼する際の業者選択の一つの目安になります。診断内容や結果を聞いたところで分からないから説明は結構です・・と言われる方もおられますが"3C"なきサポート業者にはあらゆる潜在的なトラブルが潜む確率が高くなります。

●納得のいくサポートを受けたい場合や、業者が説明責任を果たさない場合はユーザーのほうから"3C"を問いかけてください。ひいてはユーザー自身のためになることでもあります。

九州インターワークス
「サポート・サービス内容」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/naiyou.htm

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古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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