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手間とコスト、リスクを天秤にかけてしまうという"リスク"
●先日の情報管理セミナーで、質疑がありましたが大変気になる質問がありました。一部をご紹介したいと思います。
●皆さんが一番気になされているところはどこなのか、それは「コスト」と「手間」の問題です。ログインのパスワードなんて手間でわずらわしいから設定してしまうと困る・・・と質疑で言われました。
●いろいろと対策はわかるけれども改善に手間や費用がかかるんでは問題外だ・・・というもの。起きるか起きないかわからないことに労力はかけられない・・・ということだそうですが、それならば車のエアバッグもバイクのヘルメットも無駄で必要ないし、船の救命胴衣も救命ボートもいらないですね。
●このような質問が出てくる背景として、水と安全は「空から降ってくる」と思っている国民性から来ているかもしれません。
●実際に情報漏えいやデータ喪失は、自分が体験しないと実感が湧かないものであるという側面があります。
●最近、自動車保険に加入しない人が急増して、被害者が事実上の泣き寝入りになる事例が相次いでいるそうですが経済的な背景だけでなく、「私は大丈夫」という過信が蔓延している可能性もあります。
●何でもそうですが、自分は事故に遭わない、だまされない、被害に遭わない・・・と思っていても遭う時は遭うもので、実際に巻き込まれてから初めて実感するものです。
自分に良い事は起こる、悪い事は起こらないという錯覚
●ところが「自分だけは違う」、とか「自分だけは違っていたい・・」「自分は人よりは賢い」と思いたくなるのが人間というもの。だから良い事は起こるし、悪い事は起こらないと思ってしまう。
●ほとんどの人は、「当たる」と思って夢を描きながら宝くじを買いに行くけれども、その行き帰りに事故に遭うなんていうことは全く夢にも思っていないわけです。
●しかし、どちらの確率が高いかは計算しなくても統計学を学ばなくても、ほとんどの人が経験則から理解が出来るはずです。自分が悪くなくても、向こうから突っ込んでくる事故もあるわけですから、自分は大丈夫と思っていても、避けようのないことも世の中には実際にたくさんあるわけです。
●未来のことを予測したり、見通したりする能力は動物の中でも人間だけに備わっているといわれています。せっかく人間にだけ与えられた能力ですから無駄に放棄するのはもったいない話です。
●リスク管理は一見無駄なように見えますが、実際にリスクが起こった時のダメージをできる限り回避できれば、深刻な状況は避けられるはずです。
●これからのデータ管理は、「書類管理」の感覚ではなく「財産」「資産」管理と同じレベルで考える必要があります。
「本当にそのシステムは必要ですか?」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/cost.htm