「高島屋東別館」(大阪市浪速区)コンバージョン

高塚哲治

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テーマ:名建築/迷建築

 昭和初期の名建築として知られる「高島屋東別館」(大阪市浪速区)が、高級賃貸マンションに家具やキッチンが備わり、掃除などもしてもらえる「サービスアパートメント」への衣替えを検討しているようです。
 長期滞在の外国人客の利用を想定し、「高島屋」とシンガポールの不動産開発大手「キャピタランド」が今秋の契約を目指して最終調整しているといいます。
 当別館は、地上7階地下2階建て、延べ床面積は約40000㎡あり、戦前は「松坂屋大阪店」として建設され、「ルネサンス様式」の外観は「東洋一の百貨店建築」とも称されていました。
1996年の閉店後は、「高島屋」が引き取り、美術品などを展示する「史料館」や事務所などに使われました。
 当別館の周辺は、訪日外国人客に人気の「黒門市場」や電器街があり、ビジネス客だけでなく、観光客の需要も見込むといいます。
 「堺筋」に面した「日本橋」に建つ「高島屋東別館」は、1928(昭和3)年から1937年にかけて建てられた百貨店建築です。
 大阪のメインストリートである「御堂筋」が1935年に完成するまでは、「堺筋」が大阪随一の大通りで、1920年(大正9年)に完成した北浜の「三越百貨店」を筆頭に、堺筋本町の「白木屋大阪支店」(1921年)、長堀橋の「長堀高島屋」(1922年)、「松坂屋大阪店」と、百貨店がこぞって出店した「ショッピングストリート」でした。
  「高島屋東別館」の設計者は、「名古屋」に事務所を構えて「松坂屋」の設計を数多くこなした「鈴木禎(てい)次(じ)」です。  
 外観はクラシックな3層構成で、「堺筋」に沿って続く67mの「アーケード」で、11連のアーチは圧巻です。
装飾には「アカンサス」の葉をモチーフにした「テラコッタ」が取り入れられ、「アーケード」に面してガラス張りのショーウィンドウが並ぶなど、百貨店らしい華やかさを今に伝えています。
 内部は、「エレベーター」と「階段」廻りに濃密な装飾が施され、全体に「アール・デコ調」のデザインでまとめられています。
かつては、屋上に「松坂遊園」があり、夏はプール、冬はアイススケートで大変賑わったといいます。








(讀賣新聞:2017.04.07夕刊 抜粋)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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