オルネラ・ヴァノー二「逢いびき」
「カメラ」という名前の語源は、「暗い部屋」という意味のラテン語「カメラ・オブスクラ」だそうです。
「カメラ・オブスクラ」は元々、素描を描くための補助用具として使用された装置で、芸術家たちは、光が入らないよう密閉された部屋や、大きな箱の中に入ったといいます。
少しだけ穴が開いたところから内部に光が入り、対壁の部分に上下が逆さまになった像が映し出され、この画像を紙にトレースしていたようです。
後に「カメラ・オブスクラ」には、「フィルム」と「レンズ」が搭載され、いわゆる「カメラ」となっています。現在では、「ジャスティン・クインネル」による『Camera Obscura』キットで、昔ながらの「カメラ・オブスクラ」を楽しむことができます。
このキットには、「レンズ」「大型の映写幕(1.8 x 1.6m)」「小型の手持ち型透過スクリーン」「ベルクロ(マジックテープ)」が入っています。
まずは、部屋に光が入らないよう細工をした後、窓を覆った素材に開けられた穴に「レンズ」をかざし、「レンズ」から約90cm離れた場所に「スクリーン」を置き、そして電気を消します。
暗闇に目が慣れてくると、上下が逆転した像が「スクリーン」に写り、「小型の透過スクリーン」を掲げると、反対側から窓に向かって額で縁取られた像を見ることができます。しかし、この像は上下逆さまです。
「キット」は25ドルで、「2,500年に及ぶ光学の驚異」を体験できる装置としては格安といえ、「クインネル氏」は作り方も公開しているので、自分で装置を作ることも可能です。
(讀賣新聞2015.06.22)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所