「味園ビル」再び注目(映画「味園ユニバース」も:大阪“ウラなんば”

高塚哲治

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テーマ:名建築/迷建築

 「味園(みその)ビル」は1955年(昭和30年)に開業した、大阪市千日前に建つ、「飲食店」「大宴会場」「ホテル」「マッサージ」店などが入る歓楽街が1棟に集約されたビルです。
 赤と青の渦巻き形ネオンで浮かび上がる「味園」という巨大看板が目印になっています。
 このビルにつくられた老舗の豪華キャバレーが「ユニバース」です。
 高度成長期時代の日本には、「キャバレー」が各地で沢山登場しましたが、中でも「ユニバース」は、その名の通り宇宙空間をテーマにした独特の趣向が凝らされ、規模も日本最大級のもので、大変な人気でした。
 かつては地上3層が吹き抜けで、ステージの前の中央スペースには「ダンスホール」があり、そこを囲むように客席が設置され、その上をキラキラの「シャンデリア」と、宇宙に浮かぶ惑星のような「ミラーボール」が照らしていました。
 全盛期は常に千人もの客が訪れ、海外のガイドブックでも紹介され、観光バスで訪れる人たちもいたようで、ステージに立った有名人には、「和田アキ子」や「ピンク・レディー」の名もあったとか。 
 「味園ビル」は、大阪の古き良き昭和の香りを伝え、「味園ビル」を中心とした「ミナミ」の中でも「難波」のウラ側、「千日前」や「日本橋」界隈のことを総称した“ウラなんば”がここ数年若い世代が集まる人気スポットとして話題になっています。
 大阪の繁華街として、「梅田」「中之島」地区を中心とした「キタ」や、「難波」「心斎橋」地区を中心とした「ミナミ」が有名ですが、“ウラなんば” は雑多で独特なその土地ならではの面白さや、店舗で働く人々のアットホームな雰囲気があります。
 また、「ユニバース」を舞台としたドラマ映画『味園ユニバース』が「山下敦弘」監督により制作され、公開が予定されています。








(讀賣新聞:2015.02.08)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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