マイベストプロ大阪
高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

「被爆橋」(「猿猴橋」)復元:広島

2014年8月23日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:名建築/迷建築

コラムカテゴリ:住宅・建物

 広島市は、大正末期の1926年に建造され、戦前まで豪華なワシのブロンズ像があったJR「広島駅」近くの「被爆橋」(「猿猴橋」)を、被爆70年となる2015年に建造当時の姿に復元させるといいます。
 6年前から復元に向け活動してきた住民グループは「広島の玄関口の新名所になる」と期待を寄せています。
 建造当時の「猿猴橋」は、ブロンズ製のワシをてっぺんに抱いた「親柱」と、猿と桃の透かし彫りがあしらわれた「欄干」が特徴で、その華麗さから「広島一の橋」と呼ばれたそうです。
 これらの装飾は戦時中、兵器製造のため国に金属供出され、石造りになった橋は原爆の閃光を浴びたものの、壊滅的な被害は免れました。
 地元で復元への夢が芽吹いたのは1996年2月で、橋の近くに住む住民たちが、古い「猿猴橋」の水彩画を見つけたのがきっかけといいます。
 賛同の輪は広がり、2008年には9人で「猿猴橋復元の会」が結成され、現在は「広島市立大」の協力を得て、「親柱」を再現したモニュメントを制作しているそうです。
 市はこうした地元の盛り上がりに着目し、被爆70年の記念事業の一つに位置づけ、2014年度当初予算案に設計費として2千万円を計上し、2015年度の完成を目指しています。
  「猿猴橋」の周辺では、「広島駅南口B,Cブロックの再開発」が2016年に終わり、街の姿は大きく変わることになります。








《2014.08.19讀賣新聞夕刊》

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

この記事を書いたプロ

高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪の住宅・建物
  4. 大阪の注文住宅・住宅設計
  5. 高塚哲治
  6. コラム一覧
  7. 「被爆橋」(「猿猴橋」)復元:広島

© My Best Pro