「高層ビル」に「制震新装置」設置:新宿
複数のビルの空調設備を専用装置でつなぎ、ビル同士の熱を融通して冷暖房のエネルギーを節約するシステムを、「大阪市立大工学部」中尾正喜・特命教授らの研究グループが開発しました。
8月12日に、住之江区の「府咲洲庁舎」と「アジア太平洋トレードセンター」の空調設備の各一部をつなぎ、システムの実証実験が始まり、「約4割の省エネ効果が可能」としています。(「サーマルグリッドシステム」)
大型ビルの空調は、冷やしたり、温めたりした水を建物内の配管で循環させ、各部屋の冷暖房に利用しています。「サーマルグリッドシステム」では、複数のビルの配管同士を「熱交換機」とループ状の「導水管」でつなぎ、各ビルの冷暖房の利用状況に応じて、配管の水の熱を他のビルの配管に移せるようになっています。
冷暖房利用が少ないビルでは、別のビルの余った熱を各部屋の冷暖房に使えるため、エネルギー効率が上がり、電気やガスの消費が抑えられる仕組みです。
実証実験の総事業費は3.5億円で、来年1月中旬まで、省エネ効果などが検証されます。ここで得られたデータなどを元に、「咲洲・アジアスマートコミュニティー協議会」が同システムを「インテックス大阪」(住之江区)の6つの建物に来年3月導入し、約1年間検証した後、2016年3月に実用化するという予定です。
新たな空調設備を導入して同じ効果を出すには約30億円かかるところ、既存の空調設備をつなぐだけなので、7分の1程度の費用で設置できるといいます。
《2014.08.13讀賣新聞》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所