「ゴッホ美術館」見学:「アムステルダム」
「指輪」を中心とする宝飾品約870点からなる「橋本コレクション」が「国立西洋美術館」に寄贈されたことを記念する企画が始まりました。
「橋本貫志」氏(1924~)が収集した760点あまりの「指輪」は、年代や素材に偏りがなく、極めて広範な内容を持っているといいます。
この展示会では、約300点の指輪が一挙に公開され、「橋本コレクション」の個性豊かな顔ぶれが楽しめるようです。
最も古い「指輪」のひとつは、4000年前の「古代エジプト」にさかのぼり、「フンコロガシ」の形をした「スカラベの指輪」で、飾りではなくお守りとして用いられていたそうです。
現代の「ブルガリ」は、「古代ローマ」のコインを金のリングと合体させ、時間と用途の枠組みを超えた作品を生み出しています。
「指輪」の歴史は、ダイヤモンドの輝きを追い求める歴史でもあり、原石の形をとどめた「ポイントカット」から、まばゆい光を放つ現代の「ブリリアントカット」まで、それぞれの輝きを見比べることができます。
また、「神戸ファッション美術館」が所蔵する18世紀から20世紀前半の衣装をマネキンに着せて展示し、「指輪」を各時代のモードの中に位置づけています。「マリー・アントワネット」に代表される「ロココ時代」の宮廷ファッションから、20世期前半のモードを率いた「ココ・シャネル」にいたる衣装を、各モードを反映した「指輪」とともに楽しむことができます。
さらに、「指輪」に表された小世界を所蔵する「絵画」や「版画」と比較して、新旧コレクションの融合を図っているといいます。
「国立西洋美術館」の長所を生かした展示を通し、新たな切り口から西洋文化の魅力にみる絶好の機会でしょう。
《2014.08.07讀賣新聞》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所