マイベストプロ大阪
高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

「人吉城跡」:熊本県

2013年7月24日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:名建築/迷建築

コラムカテゴリ:住宅・建物

 「人吉城」は熊本県人吉市麓町にある平山城跡です。「相良氏」が「鎌倉時代」に地頭として「人吉荘」に赴任して以来、35代670年のにわたり在城し、「江戸時代」には「人吉藩」の藩庁で、国の史跡にも指定されています。
 市内中央部を流れる「球磨川」の南側に位置し、「球磨川」とその支流「胸川」の合流点の山に築かれ、北側と西側は「球磨川」と「胸川」を天然の堀とし、東側と南側は山の斜面と崖を天然の城壁として、巧みに自然を利用しています。
 「球磨川」沿いに「三の丸」を配し、その南に「二の丸」が、丘陵上に「本丸」が配された、梯郭式の平山城です。「本丸」には天守は築かれず「護摩堂」があったといわれています。
 幕末に築かれた石垣の一部には、ヨーロッパの築城技術である「槹出工法」(はねだしこうほう)を応用した「武者返し」と呼ばれる独特の石垣があります。この「武者返し」は城壁最上部に平らな石がやや突き出して積まれ、「ねずみ返し」のように城壁越えを阻止すると共に、簡単に落下させられ、城壁に張り付いた敵への攻撃にも使えるようになっています。
 この城壁は、他に函館の「五稜郭」と「鶴岡城」にしかない珍しいものですが、いずれも「人吉城」の石垣程の規模はないとのことです。
 現在の城跡は「人吉城公園」として整備され、櫓や塀が復元されています。また、城址の西側には「人吉市役所」、「相良護国神社」があります。










《讀賣新聞13.07.17》

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所 

この記事を書いたプロ

高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪の住宅・建物
  4. 大阪の注文住宅・住宅設計
  5. 高塚哲治
  6. コラム一覧
  7. 「人吉城跡」:熊本県

© My Best Pro