「持ち家偏重」の是正:賃貸住宅政策
2012年度の「国土交通白書」が発表されました。「白書」によると、賃金上昇率の伸び悩みや、「非正規雇用」の増加などの影響により、1983年から2008年の25年間で、40歳未満の若者の「持ち家比率」が42.2%から28.4%へと約14ポイント下がっています。
「住宅ローン」を組めない、払えない世帯が増加し、それにより、民間の賃貸住宅に住む傾向が強まったことを如実に表す結果となっています。
「国土交通省」は、【持ち家取得や質の高い賃貸住宅の供給支援をする必要がある】と指摘しています。
今回の「国土交通白書」においては、【若者の暮らしと国土交通行政】をテーマに、年代別の「持ち家比率」や、「働き方の変化」、また「可処分所得」における「住宅ローンの割合」などを調べ、その結果を掲載しています。
これによると、1983年の30~39歳の「持ち家比率」は、約半数の53.3%であったところ、2008年には39%と約14ポイント低下していることがわかります。また、30歳未満も1983年には17.9%であったものが、2008年には7.5%へと約10ポイント低下しています。逆に、40歳未満で民間の賃貸住宅に住む割合は、39.7%から59.7%に上がっています。
更に、20代から30代の若者に、東京都に住居を構えようとする傾向が強くみられることも指摘し、移動の利便性や娯楽施設の多い環境での生活を重視していることによるのではないかと、「国土交通省」は分析しています。
このような現状を踏まえて「国土交通省」は、都市機能の集約や公共交通の充実を通じた「コンパクトシティ」の形成がさらに重要になってくるとの認識を示しています。
《讀賣新聞13.07.02夕刊》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所