地震波「キラーパルス」

高塚哲治

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テーマ:技術

 4月13日早朝に淡路島を中心に起きた地震は、建物を破壊させやすい周期の揺れ(「キラーパルス」)が弱かったため、甚大な被害に至らなかったものといわれています。
 地震学において、地震による揺れの速さ(周期)のうち、特に木造家屋などにダメージを与えやすい1秒~2秒周期の揺れが「キラーパルス」(震源破壊過程が原因で発生した1秒程度の大振幅パルス)といわれるものです。
 地震の揺れの速さは6段階に区分されています。0.5秒以下の周期で振れる「極短周期地震動」から、「短周期」「やや短周期」「やや長周期」「長周期」、そして100秒以上の時間をかけてひと揺れする「超長周期地震動」までです。このうち「やや短周期」のものが「キラーパルス」と呼ばれています。
 一般的に、地震の揺れが建物の固有周期に近ければ近いほど、建物は大きく揺れやすくなります。「キラーパルス」は、中低層の家屋や木造住宅などが最も被害を受けやすい周期であるとされ、地震の際には最も警戒する必要がある揺れといわれます。
 なお、地震の揺れる周期が長ければ長いほど、大きな建物が揺れやすくなり、高層ビルが大きく揺れるような周期の揺れを「長周期地震動」と呼んでいます。
 2011年3月の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、「キラーパルス」はそれほど発生しなかったと見られていますが、地震の直後に発生した大津波が、沿岸地域の家屋をほぼ全壊させています。


《讀賣新聞13.04.14》


↑1995年兵庫県南部地震のJR鷹取における波形(震度7、周辺の木造建物全壊率59%)


↑2007年新潟県中越沖地震のK-NET柏崎における波形(震度6強、周辺の木造建物全壊率5%)


↑2003年十勝沖地震のK-NET広尾における波形(震度6強、周辺には大きな被害なし)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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