「天井補強」の義務化

高塚哲治

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テーマ:技術

 国土交通省は2014年4月をめどに、地震時の天井の脱落対策を義務付け、建築確認手続きで審査を開始するとのことです。東日本大震災での被害を踏まえ、建築基準法施行令の改正案と告示案を2月28日に公表し、意見を募集しているところです。3月29日に締め切り5月ごろの公布を目指しています。
 改正案などによると、対象となる天井は高さ6m超にある面積200㎡超の吊り天井です。「仕様ルート」と「計算ルート」「特殊検証ルート」の3つの検証方法を定め、まれに起こる中地震で、天井が損傷しないことを目標としています。
 「仕様ルート」には、1㎡当たりの重さが20kg以下の天井に適用されます。吊りボルトの長さを3m以下に抑え、天井1㎡当たり1本以上取り付けるといった規定が示されています。
 水平方向の地震力に抵抗するブレースは、原則としてV字形に配置させ、吊りボルトなどに局所的な軸応力が生じないようにしなければなりません。各部材は互いに金物やビスで緊結し、地震時に接合部が滑ったり外れたりしないようにします。
 腐食などの劣化対策も盛り込まれ、腐食しにくい材料の採用や、部材にさび止めを施すなどの対策が求められています。
 天井と周囲の壁とは6cm以上の隙間を設ける必要もあります。国交省が12年7月に公表した試案では隙間を10cm以上としていたものの、過大だという指摘を受けて精査し見直しされています。
「計算ルート」は、建物の構造躯体の限界耐力を計算した場合などに適用し、構造計算適合性判定の中で審査されます。「特殊検証ルート」は、時刻歴応答解析で安全を確かめ、性能評価機関が審査するものです。
 国交省は設計や審査が円滑に実施できるようにするため、13年秋をめどに技術資料を公表する予定です。同資料で天井の具体的な試験方法や、天井と一体で挙動する設備の取り付け方法などが示されます。
 こうした基準を満たさない既存の天井は、天井面の下にネットを張るなどして、壊れても落ちないような対策を求める予定です。国交省は耐震改修促進法に基づく耐震診断基準として位置付け、改修時に耐震以外の既存不適格部分が遡及されない緩和要件とする方針です。








タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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