地盤補強の方法

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:技術

 地盤補強方法には、「鋼管杭」「柱状改良」「表層改良」があります。最近では審査機関の評価を得た多くの工法も生まれています。日本建築学会では、SWS試験結果をもとに地盤補強選定の目安を示しています。ただし、SWS試験結果の資料のみに頼ると、地盤補強が必要な地盤状況にもかかわらず、不要であるとの判定を下してしまうおそれがあります。たとえ試験結果が基準を満たすものであっても、もともと川や水田などであった敷地では、なんらかの補強が必要と考えられるからです。
 地盤補強方法の最適な選択は、地形を十分に観察することです。そのために、近隣建築物の基礎形状や地盤の状況を観察する必要があります。設計者として、調査を地盤調査会社に託すだけではなく、自らが現地を観察することが基本です。
建築面積50㎡程度の木造2階建て住宅において、地盤補強を実施する場合、下表に示す相当金額が必要となります。
 ただし、ここで注意しなければならないのは、「鋼管杭」のコストが高いことから、性能も「鋼管杭」が最も優れていると錯覚しがちになります。ところが、杭は本来、周面の摩擦力によって支持されるのが理想であり、杭長が3m以下のものや地盤沈下が生じる地帯では、かえって浮き上がってしまう危険性をはらんでいます。また、基礎に亀裂が発生することもあります。このような地盤には、「柱状改良」のほうが向いているということになります。


《世界で一番強い地盤・基礎を設計する方法:建築知識 抜粋》

調査鑑定/設計監理/CM(コンストラクションマネジメント)

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高塚哲治
専門家

高塚哲治(建築家)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

高塚哲治プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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