【実績】スーパーマーケットの現場で利益を最大化するアプローチ 商品ライフサイクルの4段階を徹底して活かせ!
1.「食欲の秋」は“温度”と“旬”で売る
気温が下がり始める秋は、「旬」と「温かさ」の両方を感じる季節。
お客様の買い物動機も、“旬の食材を使った温かい料理が食べたい”へと変化します。
スーパーのマーチャンダイジングでは、単に商品を並べるだけでなく、
「旬の味覚で体を温める」「季節を感じる」「家族が集う」——
この3つの情緒を売場で表現することが大切です。
たとえば、鍋つゆコーナーを中心に「白菜・春菊・きのこ・鶏肉・豆腐」など旬の鍋素材を集め、
“寄せ鍋島”を作れば、購買導線が短くなり、「今夜これを作ろう!」という気持ちを引き出せます。
このような旬のテーマ販売が、秋商戦の勝敗を左右します。
2.カテゴリ別「ホットメニュー」提案
添付資料をもとに、
秋の売場では次の5つのカテゴリーを軸に展開すると効果的です。
■鍋・スープ系(旬の野菜であたたまる)
「寄せ鍋」「すき焼き」「豚汁」「きのこクリームシチュー」など、旬野菜をふんだんに使ったメニューが人気。
→ 売場ポイント:鍋スープの素・白だし・ポン酢を手前に陳列し、根菜・きのこ・豆腐を連動展開。
→ 旬訴求例:「地元産の里芋」「今が旬のしいたけ」などPOPで強調。
■煮込み・オーブン系(じっくり煮て旬を味わう)
「牛すじ大根」「豚汁」「ロールキャベツ」「グラタン」「ラザニア」など、時間をかけて煮込む料理が増える時期。
→ 売場ポイント:トマト缶やホワイトソース、旬のかぼちゃ・さつまいもを使った提案で彩りアップ。
■焼き・鉄板系(香ばしく旬を楽しむ)
「きのこと鮭のホイル焼き」「秋刀魚の塩焼き」「石焼ビビンバ風ご飯」など、香りで購買意欲を刺激。
特にサンマ(秋刀魚)は秋を代表する旬魚。脂がのったサンマを“今が旬”と打ち出し、
「大根おろし」「すだち」「しょうゆ」と一緒に関連販売すると、付加価値が上がります。
→ 売場ポイント:鉄板プレート・ホイル・調理酒などを関連販売し、焼き立て演出や香り訴求を強化。
■ご飯・麺類(旬の味覚で主食を格上げ)
「栗ご飯」「松茸ご飯」「鍋焼きうどん」「あんかけ焼きそば」など、秋の味覚の食材をふんだんに使ったメニューで客単価アップ。
→ 売場ポイント:炊き込みご飯の素、だしパック、柚子胡椒など“旬の味変アイテム”を展開。
3.秋のスイーツ・ホットデザート(旬の甘味で心を温める)
秋は“スイーツの旬”でもあります。果物・芋・栗・かぼちゃを使った温かいスイーツ提案が、お客様の心を掴みます。
■主なメニュー
•焼きりんご(シナモンバター)
•さつまいもプリン
•かぼちゃのチーズケーキ
•栗のモンブラン・栗きんとん風スイーツ
•ホットアップルサイダー
•甘酒・ホット柚子茶
→ 売場ポイント:りんご・さつまいも・かぼちゃ・栗の“旬産地フェア”を展開し、
バター・生クリーム・砂糖・シナモンなど製菓材料を関連販売。
レジ前やベーカリー横で「ほっと一息」提案を行うと購買率が確実に向上します。
4.“旬の温もり”を演出する売場設計
売場は「体感温度」と「旬感覚」で季節を演出しましょう。
照明を暖色系に変え、POPやのぼりには「ほっこり」「湯気」「旬の味わい」といった言葉を使うことで、
お客様の五感に訴える売場が完成します。
また、鍋野菜・根菜・芋類・柑橘・きのこ・サンマ・栗をまとめた
**「旬のホットメニュー特集コーナー」**を入口に設けることで、
季節感と購買意欲を同時に高められます。
5.秋商戦のキーワードは「家族・団らん・時短・旬」
秋は家庭内での調理機会が増える時期。
「旬の食材で、簡単に、家族が喜ぶ」メニューを軸に訴求することで、購買単価とリピート率が上がります。
惣菜部門では「温めてすぐ食卓へ」をテーマに、旬素材を使ったホット惣菜・和風シチュー・秋の炊き込みご飯などが有効です。
6.価格競争と粗利益拡大の両立こそ、秋のMD戦略
中小スーパーが直面する最大の課題は、ドラッグストアやディスカウント店との価格競争。
しかし、“旬”を活かした秋のマーチャンダイジングこそ、値下げに頼らず利益を生む最良の手段です。
●「旬×テーマ」で価値をつくる
価格ではなく「提案」で勝つ。
“旬の味覚フェア”や“秋の寄せ鍋特集”など、季節のテーマで価値訴求を行うことで、
価格ではなく「共感」と「体験価値」でお客様の心を動かせます。
●「関連販売」で粗利益を底上げ
単品値引きではなく、「鍋つゆ+旬野菜+肉」「グラタンルウ+牛乳+旬のかぼちゃ」などのように、
組み合わせ提案による粗利益の積み上げを意識。
客単価が上がり、ロスも減り、結果として粗利益率が改善します。
●「旬」と「地元性」で差別化
秋のきのこ・果実・根菜・サンマ・栗などは、地場仕入れや産直コーナー強化で付加価値販売が可能。
“地元〇〇産さつまいも使用”“朝採れしいたけ”“旬のサンマ入荷”などのPOPで、価格以上の納得感を生み出します。
●「手づくり感」と「温かみ」でブランド化
大手量販では出せない“手づくり感”と“旬のぬくもり”こそ、中小スーパーの最大の武器。
店長の一言POPやレシピカードなど、“人の想い”を感じる売場づくりが、
結果的に最も高い粗利益を生みます。
7.まとめ:秋の売場は“旬と温度と情緒”で売る
秋のマーチャンダイジングは、単なる季節展開ではなく、“旬の温度”を感じさせる体験づくり。
お客様に「ここに来れば、旬の味覚と温かい食卓がそろう」と思ってもらえる売場を設計することが、
営業利益アップにつながります。
「旬を食べて温まる」「旬を見て感じる」「旬を買ってうれしい」——
そのすべてを演出できるのが、秋のスーパーマーケットの真価です。



