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新谷千里

高利益を出すスーパーマーケットにするコンサルタント

新谷千里(しんがいちさと) / 経営コンサルタント

有限会社サミットリテイリングセンター

コラム

スーパーは売上が伸びないことが問題ではない!    生産性が低く営業利益率が低いことが問題!

2021年12月8日 公開 / 2022年11月19日更新

テーマ:スーパーマーケットの経営戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

早速ですが、
下の数字は、私のクライアントの10月の売上高と営業利益高の実績(前年対比)です。

        【部 門】  【売上】 【営業利益】
         青 果   101% - 140%
         精 肉    92% - 101%
         鮮 魚   102% - 164%
         惣 菜   103% - 157%

そして、下のグラフが、各部門の実績(4月から10月)の推移になります。

MBP211208①
売上は、各部門とも各月100%前後で推移していますが、営業利益は確実に伸びてきています。
まだまだ、高位に安定しているとは言えませんが、確実に右肩上がりの伸びを実現して来ています。

今後、営業利益の拡大が確実化してくれば、営業利益率が大幅にアップすることになります。
そして、貯まった利益(現金)を使って、実践的マーケティングに磨きを掛けて、集客に力を入れて、売上を取りに行くことも容易に出来るようになります。

戦術的なやり方ではなく、戦略的に、です。
しかも、それを継続的に実行することが出来るようになります。
そしてそれが、お客の支持を得て口コミで広がり、さらにお客の数を増やすことになります。

売上で勝っても利益が伴っていなければ、勝ちではない…?

紹介したクライアントの各部門も、業務改善の活動をスタートする前は、売上が年々ジリ貧の常態が続いていました。
しかし、真の問題は売上の低下ではありません。

地方の於いては、ほとんどの市町村で人口は減り続けています。そして、少子高齢化です。都市部でも同様のところも少なくありません。

そして、ドラッグストアやディスカウトストアなどの進出が続いています。
商勢圏内のシェアを考えれば、売上を伸ばし続けることは容易ではありません。
ですから、売上がジリ貧になってくることは当たり前のことなのです。

コロナ禍の様に人の行動が制限されて、外部環境に大きな変化が起こり、スーパーは、勝手に売上が上がりました。
この様な場合は別として、無理して目先の売上を上げようとすると、マーケティング力やオペレーション力のない企業は、多くの場合利益を確実に落としてしまいます。

今後スーパーマーケットの運営で重要なことは、現状の売上が低下しても、それ以前の営業利益と同じか、それ以上の利益を上げる仕組みを構築することが重要です。
そしてそれは、多くの中小零細企業で、十分可能なことです。

言い方を変えれば、「儲け方自体の中身(やり方)を変えること」であり、今後の経営を確実に安定させることに繋がるのです。

戦略の考え方と手順・・・持続可能性を考える

戦略をざっくりと表現すれば、以下の2タイプの考え方をすると解りやすくなると思います。

タイプ1: 戦略的ポジショニング形成『型』…独自性
      売場(品質)優位 ~ 売場、商品、サービス

タイプ2: 組織オペレーション能力追求『型』…ロス・ムダ取り
      コスト優位 ~ ロス削減、作業、人件費、仕組みづくりなど

MBP211208②
タイプ1の『戦略的ポジショニング形成・型』は、売場づくり、品揃えやサービスの独自性によって、お客は日々売場で良い体験をすることができます。

しかし、競合他社も、こちらが遣っていることを売場で確認できるため、真似られることも多いかもしれません。現在の差別化は、いずれ中立化されてしまうことになります。
また、その逆もしかりです。

一方、タイプ2の『組織オペレーション能力追求・型』は、実際にその多くは、売場で起こっているほんの一部しか確認することができないために、競合他社は全体像を把握することは難しいと言えます。
タイプ2を勉強していない会社にとっては、全くと言っていいほど理解できないかもしれません。

タイプ2の戦略は、時間の経過と共に現場のムダを無くしていきコスト競争力を付けて、筋肉質の経営体質をつくり上げていきます。

どちらの戦略が良いとか悪いとかいうことではなく、時期によって、どちらに重きを置いて活動しているかということが重要です。
また、結果としてそれが、「商勢圏の中でお客に支持され、強みとなり」利益の拡大に貢献しているか、ということです。

業務改善のコンサルティングを遣っている私の眼には、タイプ2の戦略を確実に遂行している企業は少ないように見えます。そして、中小零細のスーパーでは特に少ないと思います。

商人舎20・03号TYS②.png         【図表】業務改善によって人時生産性のアップを実現した事例

しかし、タイプ2の『組織オペレーション能力追求・型』の戦略が、競争優位を実現するために、また、会社の継続発展のためには非常に重要な戦略であることは間違いありません。

数か月で・・・結果は現れる

紹介したクライアントの場合、1年程度のコンサルティングの結果で、徐々に業績を押し上げています。
コロナ禍で訪問して現場確認ができない期間が多くありました。
Zoomを使ったオンライン形式のコミュニケーションをとっていましたが、問題発見や課題設定が十分に出来なかった面があります。
しかし、発見した問題に注力して、優先順位を付けて改善を行うことによって、成果を出してくれています。

この場合、戦略タイプ2を重点的に実行して、その後徐々に戦略タイプ1の実行度合いを上げていく形を取っています。

そもそも、多くのスーパーマーケットの場合、1店舗当たりある一定以上の売上高を立てています。
極端に売上が低い企業(店舗)でなければ、このような改善方法を取る方が、確実にそして継続的に成果を手に入れることが出来ます。

これから重要なこと   やり方を変えて、『儲け方』を変える!

売場づくりにおいて、コンセプトと基本4原則(品質、品揃え、衛生管理、接客)の実行レベルを向上させることは大原則です。
「お客の不満と買わない理由」を理解して、改善を加え、実行レベルを高めていくことが必要です。

その上で、「どの様な戦略」を、「どう遂行するか」が重要になってきます。

先述したように競争環境が大幅に変化して、今後もその変化が止むことは無いと思います。
売上だけを追及しているだけでは、稼ぐことは益々難しくなると思います。


商売は、「儲けてなんぼ」です。従業員のためにも、お客のためにも、です。
やり方を変える必要があります。

紹介したクライアントが、それを教えてくれています。
「売上は伸びなくても、営業利益は2倍、3倍に出来る」のです。

やり方を変えれば・・・。



★★★【参考動画:儲かるスーパーにする方法、正しい業務改善】★★★

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