今こそ、損益分岐点を下げる絶好のチャンス!【商人舎WEBコンテンツ7月号・原稿】
新型コロナウイルス感染症の影響は、想像以上に大きく、多くのビジネスに経済的打撃を与えています。
その中にあって、食料品を販売する業態のスーパーマーケットは、売上を大きく伸ばしています。
方や、宿泊業や飲食業などの多くは、外出自粛の影響を受けて、来店客数が激減し、経営破綻する会社も多くなっています。
例えば、地方では、いちご狩りを遣っている観光農園も、来店客数が激減しています。
観光地のお土産物屋さん、そしてそこに納品している商品を製造しているメーカーも、観光客が激減することによって、商売が出来ずに困っている人が多くいます。
地方によっては、これらの影響を受けているスーパーマーケットの外商部門もあります。
地域と繋がる
私は、コロナ禍の影響が顕著になってから、クライアントに対して、「地域と繋がろう!」という活動を遣ってもらっています。
地域で困っている飲食店などを、
「助けてあげる」ということではなく、
「困ったときは、お互い様」の精神です。
例えば、飲食店で、弁当や惣菜などを作ってもらい、スーパーマーケットで、販売してもらうということです。
勿論、食品表示などのハードルも有りますので、販売出来るまで、少し時間と手間を要することも有りますが、大した問題ではありません。
その他、いちご狩り農園のいちごなどは、お店の包装用トレーを使って、バラ盛りにして納品してもらいます。サイズは不揃いでも良いかしれません。
朝採りで、鮮度感があり、ましてや完熟品であれば、一般に出回っている商品との差別化も出来ます。
この他にも、アイデアを考えれば、地域で出来ることは、多くあると思います。
地域と繋がるジョイントベンチャー
スーパーマーケットには、日々の来店客という重要な『資産』が有ります。
地域で頑張っている専門店の美味しい商品(ブランド)という『資産』を持ち寄ってもらい、スーパーマーケットのお客に喜んでもらうことが、このジョイントベンチャーです。
ジョイントベンチャーとは、『価値の交換』をするというマーケティング手法の一つです。
重要なポイントは、「相手が良くなるような提案」を行うことです。
お互いの強み(資産)を持ち寄り、お客が悦んでくれれば、互いに成長することが出来るのです。
飲食店などは、お弁当や惣菜などの商品を作って、スーパーマーケットの売場に商品を並べて、商売をすることが出来るようになります。
一方、スーパーマーケットは、商品開発の手間を掛けずに、商品を売場に並べて、売上を増やすことが出来ます。
スーパーマーケットの惣菜売り場では販売しにくい高単価の商品も、飲食店のブランド力が有れば、一品単価をアップさせることだって出来ます。
また、お互いにアイデアを出し合うことによって、新たな商品開発に発展することだって考えられます。
そうなれば、スーパーマーケットは、他店に無い、差別化商品を作り出すことも出来るでしょう。
損得より善悪
私の優秀なクライアントは、今回の災難で苦しんでいる地域の飲食店のオーナーに呼び掛けて、商品化をしてもらい、自社の売場で販売しています。
当然、食品表示の義務を果たすために、時間と手間も提供しています。
しかし、彼は、飲食店から一切販売手数料を取っていません。
「本当に、私のクライアントで良かった」と、強く思っていますし、大いに誇りに思います。
スーパーマーケットは、地域に根差し、地域の方々に支えられて、商売をさせてもらっています。
今こそ、地域に貢献して、更に地域との絆を深くすることが出来るチャンスではないでしょうか。
この国難の時に、私たちは何が出来るのか?
何をしなくてはいけないのか?
今、この時の正しい行動が、今後会社の大きな財産となり、ビジネスの成長に繋がってくることを強く感じます。
「相手が良くなることを考える」、
そとて、
「互いの資産を持ち寄る」ジョイントベンチャー。
ぜひ、皆さんのお店でも、考えてみてください。
きっと良い勉強になり、経験価値を高めることになります。
■月刊商人舎[電子版]の記事は、こちらからご覧になれます↓
月刊商人舎 新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」