クリスマスの売上を2倍にする方法・マンネリ売場が変われば粗利益も2倍! 実践的マーケティングで効果を高める方法
賢く稼ぎたかったら、数字を「使いこなせるようになるべき」です。と前回お伝えしました。
数字の持つ意味を正しく理解して使えば、
①ビジネスにおいて、大きな成果に繋げることが出来る
②データは加工して、『情報』に変えて、活用することが大事
③現場で使える数字を知っていれば、競争を優位に進めることも出来る
④戦略策定に活用して、それを実行して、検証を加え、更なる成長のための施策を考える
などが、出来るようになることをお伝えしました。
また、スーパーマーケットの現場では、数字に強い人は意外に多くない。
①「見方を知らない」
②「知っていても、活用できていない」
という場合が多いこともお伝えしました。
今回も、現場で使える(使うべき)、そして、業績アップにつなげるための数値の活用方法について、解説してみたいと思います。
今回のテーマは、『支持率』です。
支持率の理解
支持率は、買上率やPI値など、理解している人も多いでしょう。
用語の用い方は、どちらでも構いません。
しかし、社内では、統一する(標準化する)べきです。
部門支持率は、部門の客数÷店舗の客数です。
ですから、当該部門の人気度を表す指数となります。
品質や品揃え、欠品の有無などの内的要因と、競合店や地域性などの外的要因に左右されるという側面も持ちます。
PI値は、あるアイテム(または、SKU)の販売点数÷店舗の客数で計算して、来店客1,000当たり、何個売れるかという指数になります。
例えば、「PI値、10以上の商品を強化しよう」という具合に、重点管理します。
そして、主に、PI値の高い商品は、欠品をさせないことや、売場展開方法の工夫によって、数値を上げることが出来ます。
※効果的な売場展開方法については、【単価を高める“売場づくりの4P”】を参照ください。(商人舎WEBコンテンツ・2017年8月号)https://magazine.shoninsha.co.jp/web_content/management/76412
「支持率」と「一客点数」と「一品単価」の関係
部門売上高=店舗客数×支持率×一客点数×一品単価、です。
ですから、支持率を高めることが、部門客数を増やすことになり、部門の売上高をアップさせるために最も重要な数値で、そのことを正しく理解して行動する必要があります。
また、一品単価と一品単価は、相反する関係と言えます。
絶対ではありませんが、野菜の相場高などになって、一品単価が上がれば、一客点数が低下する傾向にあります。
ですから、顧客満足と顧客生涯価値の観点から、商品の「容量を増やして単価を上げる」という考え方より、商品とサービスの「価値を高めて単価を上げる」と考えることが効果的と言えます。
※効果的な売場展開方法については、【コピーライティング技術】を参照ください。
(商人舎WEBコンテンツ・2017年7月号)https://magazine.shoninsha.co.jp/web_content/management/74632
生鮮強化と支持率
スーパーマーケットの場合、生鮮部門の支持率は、競争上重要な管理数値です。
その中でも、自店の強みである戦略部門の支持率を高めることは、商圏内で差別化戦略を実現する上で、重要なこととなります。
ですから、戦略部門の支持率が、高位に維持されている状態を実現する活動と、仕組みづくりが求められます。
特に「鮮度」や「味」に於いて、商圏内で高い信頼を勝ち取ることは、リピーターを確実に増やすことに繋がり、支持率や一品単価をアップさせて、店舗運営を安定させることになるのです。
そして、戦略的には、支持率の高い青果(野菜)部門や鮮魚部門の支持率を高めるためのプロセスを踏むことが、競争上有効的であると言えます。
支持率を上げるためには
それでは、「どうやったら支持率を上げることが出来るのか」を説明します。
グロサリー部門は、ナショナルブランド品の価格の低さが、大きなポイントとなります。
当然、競合店の価格を無視することは出来ません。
ですから、粗利益対策として重要なことは、マージンミックスです。
ナショナルブランド品とそれ以外の商品群との値入ミックス。
また、グロサリー部門とそれ以外の部門との値入ミックスを考えて、予算化をすることが重要となります。
その他支持率を上げるためには、新規商品の導入と、欠品対策が、重要なポイントとなります。特に、売れ筋商品の欠品は、絶対に防ぐべきです。
一方生鮮品で重要なことは、品質、特に「鮮度」と「味」の良い商品の品揃え、売れ筋商品のSKU拡大と、欠品しないことが、最も重要な要素となります。欠品が多いと、そもそも支持率は、上がりようがありません。
写真① 重点アイテムのスイカ、SKUを拡大
写真② 高鮮度を売り続ける、野菜売場
その他の課題もありますが、生鮮部門では、ここを先ず注視すべきです。
鮮度については、お客があなたのお店で買い物をして、日々「新鮮さ(美味しさ)を体感できるか」が、大きなカギです。
しかも、競合他店と比較して、ダントツに差を感じることです。
そのためには、仕入れ管理から販売管理まで、数量管理と品質管理を徹底し、その現場管理レベルを確実に日々向上、維持させる取り組みと仕組みづくりが求められます。
そして、味ですが、特に果物や精肉、惣菜などの部門が、その対象となります。
写真③ 高糖度のミカンが揃う、果物売場
これらの部門は、社内(品質管理)基準を高く定めて、リピーター(ファン)を増やすという意識で行動することが重要です。価格を先に考えては、決していけません。
常に推移を診る
また、数値を戦略的に使うという意味で、週単位で支持率を算出し、且つ、推移で見られるようにすることも重要です。
また、合わせて、同時期の前年対比を確認することも忘れてはいけません。
表-① 支持率管理表の事例
支持率は、現場の重要な管理数値であり、病院のカルテの数値と同じ意味を持ちます。
週単位で管理していて、3週連続で支持率が低下していれば、鮮度や品揃え、欠品など、現場の総点検の必要があります。
そして、問題が発見できれば、即時改善の行動を取ることが重要なので
す。