売れるPOPの作り方!

新谷千里

新谷千里

テーマ:スーパーの営業戦略

単なるプライスカードやメーカーの販促物程度だったスーパーマーケットのPOPも、最近、商品(価値)情報などを知らせるものをよく見かける様になってきました。

また、POPのそのほとんどが、パソコンから出力されるデジタルのPOPになってきています。その中にあって、手書きのアナログPOPは、親近感や安心感、なごみ感などを感じさせ、見る方の心を穏やかにもしてくれます。
中には、良く研究されて、「なるほど・・・」と感心させられるものも有ります。

ただ、それとは逆に、
⇒ 何が言いたいのか全くわからないもの
⇒ 文字が小さい、汚くて読む気にならないもの
⇒ 大きいだけで意味不明なもの
なども少なくありません。

コトPOPという用語だけが独り歩きして、作ることが目的になってしまっているように思います。
何事もそうですが、ノウハウだけをチョイかじりして、基本(ノウホワイ・・・何のために)を理解していなければ、販売効果を発揮しないばかりか、作業時間やトナー大など多くのロスを出す結果となってしまいます。
場合よっては、お客の買い物の邪魔にもなりかねません。


POPは営業マン


店内のご案内やお知らせという様な目的のためのPOPも有りますが、基本的に、POPの一番の目的は、商品やサービスを販売することです。
一つでも多く売るための重要なツールなのです。

「このPOP1枚で、100個売る」とか、
「何時も売っているの物より、高い物を売る」と言うように、目標達成のために書くのです。
折角忙しい時間を使ってつくるPOPなのですから、1個でも多く販売に繋げていきたいものです。

「このPOPで売れた」とか、
「キャッチコピーを変えてみたら売れた」、ということが起これば、POPを書く仕事も楽しくなって来ます。

そうです。POPは、自分の代わりに商品やサービスを販売してくれる 『営業マン』 なのです。
たった一枚の紙切れが、大きな売上をつくってくれるのです。


USPを理解する


POPを書く上で知っておきたいことが、マーケティング戦略の一つであるUSPです。
商品を売るためには、ぜひ理解しておきたいことです。

USPとは、Unique Selling Propositionの略で、売りたい商品やサービスの『独自の売り』のことです。
マーケティングの基本中の基本で、戦略上重要なものと言えます。

地域で、業界で、カテゴリーで、今のタイミングで・・・など、その中で『唯一』であること。
顧客に対して、唯一であることを訴えることができれば、差別化を生み、価格設定でも優位に進めることも出来ます。

その為には、あなたの商品を、どんな人に買ってもらいたいのかを明確にします。
買ってもらいたい人のベネフイット(得)を見つけ出します。
そして、その裏付けとなる特徴(証拠)を正しく洗い出します。
それを解りやすく伝えて、お客の「買いたい」気持ちを引き出し、購買につなげること。
それがPOPをつくる目的です。

⇒ 買ってもらいたい顧客を明確にイメージする・・・ターゲットの設定(万人に売るわけではない)
⇒ 顧客のベネフィット(得、悦び)を理解する・・・・何を実現(解決)させてくれるのか  
⇒ 商品の特徴を掘り下げる・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ良いのか、なぜこの商品なのか、
                             信頼信用を生む何かを理解して知らせる



売りための技術・・・コピーライティング


もう一つPOPを書く上で知っておきたいことが、コピーライティングやセールスライティングです。
ターゲットに、何かを伝えるために書く技術、何かを売るための技術ということです。

一般的には、ダイレクトメールやFAXメールなどに使われますが、その技術の基本は、POPにも同じ様に応用して使うことが出来ます。

キャッチコピーという用語を聞いたことが有るという人も多いのではないでしょうか。
キャッチは捕まえるという意味ですから、お客に目を止めさせるコピー、原稿ということになります。

店内POPの場合は、買い回りしているお客に目を留めてもらうわけですから、一行か二行程度の大きめの文字やイラスト(写真)などで表現することが条件となるでしょう。

そして、キャッチコピーの下に、商品の特徴やベネフィットなどを簡潔にわかりやすく、4、5行程度で本文を書きます。
本文が長くなることが必ずしも悪いと言うことはないのですが、スーパーマーケットのお客の店内滞留時間などを考えれば、キャッチコピーがお客の目を引き、特徴などを短く表現できることにこしたことはないでしょう。

また、POPの善し悪しは、販売実績で分かりますから、効果(反応)が低い場合は、キャッチコピーを変えてみます。そして、必要であれば、本文を書き変えて再チャレンジします。
これが効果テストです。
一度書いただけで、諦める必要はありません。


ボロPOPは、大きなロス


費用対効果を定期的に観察して、効果の見えない、目的を実現することの出来ないPOPは売り場には必要ありません。

人件費、POP作成で使う紙やトナー(インク)などの消耗品費、作業人時などの多くのロスを出すことになります。
特に人件費は馬鹿になりません。作業時間も有限です。
どうせ使うなら、有効的に使いましょう。


価値ある参考書


先述したように、原理原則を勉強し、
本当に、売場の業績を上げることの出来るPOP、
そして、「お客様のためになる」POPを作成して売り場に掲示しましょう。

その為に、参考にしていただける本が有ります。
私も尊敬する山口茂先生の『コトPOP書いたらうれちゃった!』(商業界)という本です。
ノウハウだけではなく、ノウホワイを教えてくれます。
大変参考になる本です。
コトPOP本
ぜひ読んでもらい実践で活用してみてください。

新たな発見があるはずです。


★★★★★『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事★★★★★

■ 参考記事はこちらから、ご覧ください ⇒ スーパーの営業戦略 



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新谷千里(経営コンサルタント)

有限会社サミットリテイリングセンター

100社以上の業績向上を実現した業務改善のプロ。売れてしまう実践的マーケティングと作業改善、そしてコスト削減。他では教えてくれない理論と実地指導で、競争の厳しい時代に確実に営業利益を向上させます。

新谷千里プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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