テミス通信第58号掲載しました
司法書士の日
本日、8月3日は「司法書士の日」です。
あまり知られていませんが、毎年各司法書士会は無料相談会などを行い「司法書士の日」の普及に努めています。
なぜ8月3日なのか??
どんな日にも由来があるもので「司法書士の日」にも、もちろん由来があります。
日本司法書士会連合会のホームページには次のように記載されています。
『明治5年(1872年)8月3日、日本初の裁判所構成法ともいうべき「司法職務定制」が定められました。この法律では「証書人・代書人・代言人」が法制度を支える3つの基本的な職能として定められました。特に代書人・代言人は裁判の円滑な行使に不可欠な存在として位置付けられ、証書人は現在の公証人、代書人は現在の司法書士、代言人は現在の弁護士となりました。
すなわち、日本が新たな法制度を導入した記念すべきこの日、同時に司法書士制度が始まったわけです。』
いまから約150年前の明治時代の当初の話ですが、識字率の低かった時代に「代書人」という、代わりに内容を理解して文書を作成するという職業は、一般市民にとっては無くてはならない存在であったことは容易に想像できます。
もちろん、時代の変遷とともに、司法書士業務の拡大し内容も様変わりしています。
司法書士の使命が明文化
さて、時代は約150年後ですが、令和元年6月6日の参議院本会議において、司法書士法の改正案が全会一致にて成立し、先日、令和2年8月1日に改正司法書士法が施行され、司法書士の悲願であった「司法書士の使命」規定が新たに設けられることになりました。
(司法書士の使命)
第1条 司法書士は,司法書士法の定めるところによりその業務とする登記,供託,訴訟その他の法律事務の専門家として,国民の権利を擁護し,もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。
実は、法律で「使命」が定められている士業はそう多くありません。
現在、弁護士、税理士、会計士、弁理士には使命に関する条文があります。
では、今まで司法書士は「使命」なく仕事をしてきたのかと言われると、そうではありません。
司法書士は登記や裁判という公益的な仕事を担っていますので、使命や倫理観なくして業務を行うと社会への弊害が大きいという自覚から、司法書士会が自主的に使命を定め周知して会員への倫理研修を重ねてきました。
私たちは、法律がどうであれ、国民の権利の擁護や、自由で公正な社会実現という思いをもって、執務に取り組んできましたが、それが形になったということは非常に嬉しい思いがあり、また司法書士全体として、前向きに社会貢献活動を行い、取り組んできた結果だと思います。
この改正で、ますます世間の目は厳しくなると考えています。今後も司法書士が必要とされ続けるためには、先人が守ってきた伝統も大事にしつつ、様々なニーズに応えて信頼される資格でなければならないと考えています。
当法人は、法改正された「使命」と「事務所理念」をもって、執務に取り組んでいきますので、今後とも宜しくお願い致します。
(事務所理念)
「~私たちは笑顔の和を広げます~ひとりひとりを尊重する豊かな社会のために~」
【文責 司法書士 山 添 健 志】
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