被保佐人は預金通帳を持てるでしょうか ☆成年後見vol.12⑭☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
平成26年4月1日より、大阪家庭裁判所においては、
既に、親族が後見人として活動しているケースにおいても、後見制度支援信託の利用を求めるようになりました。
1200万円以上の預金がある方から、信託するのが相当かどうかを検討します。
こんな相談を受けました。
「親族後見人として財産管理を真面目に行ってきているのに、
裁判所から、後見制度支援信託か後見監督人を選任することになりますと
突然、連絡を受けた。
聞けば、適切な財産管理・不正行為の防止を目的とするというではないか。
随分と失礼な話で納得いかない。
自身の後見業務に、その必要はないはず。」
真面目に業務に当たっている方なので、憤りも大きいのだと思いました。
裁判所も、意を尽くして理解を得てもらいたいものですが。
東京においては、預金残高500万円+αから、後見制度支援信託の利用を検討し、
それは、親族後見人ばかりでなく専門職後見人についても適用しているとのことです。
後見制度支援信託では、後見人が手元で管理する預金に、一定の金額を残し、
それ以外を信託銀行に預けます。
年金等の収入で支出が賄えない場合は、信託をする際に、毎月一定金額を受け取るように、
逆に、年金等の毎月の収入が多く、生活費を支払っても余剰が見込める場合には、
手元管理預貯金額を設定しておいて、それを越えた時に、追加信託をするように、
信託を設定します。
特別な支出が必要な場合は、先に家庭裁判所にその旨を申立て、
裁判所の指示書を受け取って、預けている信託銀行から支払いを受けます。
この指示書は、速やかに対応してもらえます。
切手を入れておけば、郵送もしてもらえます。
とはいえ、それを持って銀行窓口に出向き、出金することとなりますので、
親族後見人には、手数のかかることではありますね。
やはり、後見制度支援信託の設定をするためには、収支予定表をしっかりと、
かつ柔軟に作るところが重要だろうと考えています。
私たちは、笑顔の和を広げます。
司法書士佐井惠子
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