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親族後見人と第三者後見人の業務分掌を勧める理由 ☆成年後見vol.12⑲☆

2014年11月24日

テーマ:成年後見 申立のツボ

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 成年後見 手続き

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
成年後見人の選任申立では、親族の方と一緒に成年後見人候補者となるようにしています。
それが、被後見人であるご本人にとっても、親族である後見人にとっても
プラスになると思うからです。
多くは、親族が身上監護について、第三者後見人がそれ以外について業務分掌を行います。

後見人制度を語る場合、その多くは、ご本人である被後見人の権利擁護の視点からとなります。
被後見人の財産や身体を守るための制度なのですから、当然です。

でも、後見人が親族の場合は、どうでしょうか。

親族が仕事と介護で夜も十分に眠れない、仕事も代わりがいない中で頑張って、
体がフラフラになりながら、会社に打ち明けるのもためらわれる。
家でも介護を交代してくれる人がいない、自分が親の介護をしないといけないのに、
十分にできていない。
綱渡りのような毎日に、追いつめられるような介護には疑問を持ちます。

私が、癌を患った父の介護をしたとき、仕事は通常通り続けていました。
子どもは中学生と小学生の二人。
私が恵まれていたのは、父が、私が仕事をすることに対して、
いっぱいの愛情をもって理解してくれていたことだと思います。
介護は、他人はイヤ、私じゃないとダメとは一切言わなかった。
寂しいとも、決して言わずにいてくれました。

そんな父に、ずっとお付き合い下さっていた家庭医やヘルパーさんの存在が
本当に助けとなりました。
傍でプロが見守ってくれていることの安心感。

本当は、もっと悔いなく・・・、私の愛情はこんなものか・・・とも思いましたが、
専門家にお願いできることはお任せしたおかげで、
嫁いで以来、なかなか持てなかった父との時間を過ごすことができました。
仕事と家庭、それに少々介護の生活ですから、それまでより忙しくなったのは間違いありませんが、
それでも、何とかやっていけたのだと思います。

話し相手になって欲しかったのかもしれません。
もっと、やってあげられたのではないかと思うこともあります。
でも、プロの力を借りながらで良かったと思うのです。
私は、そのお蔭で、父の傍に、娘として、ただいることができました。

そんな体験から、私は、仕事をもっている親族が後見人となる場合には、
他に誰か専門の後見人も選んでもらえるようアドバイスしています。
親族後見人を孤立させない。
裁判所との橋渡しをする。
そんな専門職後見人が、きっと役にたつと思うからです。

私たちは、笑顔の和を広げます。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp
☎06-6365-1755

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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