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保佐人の権限 基本形 ☆成年後見vol.11④☆

2013年10月20日 公開 / 2013年10月21日更新

テーマ:成年後見制度と制度・関係法律

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 成年後見 手続き投資信託

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
保佐人は、どんな権限を与えられて、本人の財産や生活環境を守る役割を果たすのでしょうか。

基本形は、
民法13条1項に定められている「重要な法律行為」9項目に関する
同意権と取消権の2つです。

以下の9つの法律行為については、
保佐人の同意がなければ、本人も、保佐人も、その法律行為を取消すことができます。

 ① 利息や賃料といった価値を生み出す元となる財産(元本といいます。)を
 受け取ったり、お金を貸したり、不動産を賃貸して利用すること。

 ② 借財または保証をすること。

 ③ 本人又は誰かのだめに、抵当権等の担保権を設定したり、
   銀行に預金をしたり、上場株式の売買をしたり、投資信託を購入したり、
   有償の委任契約をしたり、人を雇い入れたり、
   施設入所契約や介護サービス利用契約といった契約をすること。

   範囲が広いと考えられると思いますが、「重要な」財産であるかどうかは、
   一般常識と本人の当時の経済状態から判断することになります。

 ④ 自らが原告となって訴訟をする一切の行為。
   被告となって訴訟行為をすることは含まれません。

 ⑤ 誰かに贈与したり、裁判外・裁判内を問わず、和解をすること。
 
 ⑥ 相続の単純承認、限定承認、相続放棄そして遺産分割協議をすること。
   相続の単純承認では、資産だけでなく借金も引き継ぐことになるからです。 

 ⑦ 贈与や遺贈を断ったり、負担付贈与や負担付遺贈を承認すること。
   負担付の問題点は、義務を負担することになるところです。

 ⑧ 新築、改築、増築または大修繕をすること。

 ⑨ 短期賃貸借の期間を超える賃貸借契約をすること。
   短期賃貸借とは、
   ・樹木の植栽、伐採目的の山林の賃貸借では10年
   ・その他の土地の賃貸借では5年
   ・建物の賃貸借では3年
   ・動産の賃貸借では6カ月

日常生活に関する行為については、同意・取消権の対象となりません。

笑顔の和が広がりますように

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp
☎06-6365-1755


この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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