後見人と被後見人間が利益相反するとき ☆成年後見 vol.7⑧☆  

佐井惠子

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テーマ:成年後見契約と財産管理等委任契約

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
後見人は被後見人に代わって、契約の締結をします。
ところが、どんな場合でもできるわけではありません。
後見人と被後見人間との利益が相反するようなケースでは、
後見監督人がいるときは同人が、
いないときは、家庭裁判所が選ぶ特別代理人が、被後見人を代理して行います。

類型的に、後見人が自己の利益を優先させて、被後見人の利益を損なう恐れがあると考えられる契約は、
その実質が、本人のためになるかどうかという判断に踏み込まず、
初めから代理することを認めないとい方法で、本人を保護しています。

例えば、後見人が被後見人の不動産を買い取るという法律行為。
売買価格が相当であるとか、廉価であるとか、そういう実質を検討するまでもなく、
類型的に、そのような行為は利益が相反するため、後見人は代理できないと考えるわけです。

売買の他にも、両者間のお金の貸し借りもできませんし、
後見人の債務を被後見人が保証することも、担保を提供することもできません。
両者が共に共同相続人であるときに、後見人が被後見人に代わって相続放棄をすることもできません。

後見監督人がいないケースが一般的ですが、この場合は特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てます。
裁判所で、実質本人の利益を損なうかどうかを判断して、OKとなると、特別代理人を選任し、
その特別代理人が、被後見人を代理することになります。

もちろん、それ以外については、後見人は今まで通り仕事をすることになります。

中でも親族後見人の方々は、被後見人のことを思ってのことで、
まさかそれが利益相反行為だなど、思いもよらないということもあるでしょう。
ケースによっては、後見人を解任されてしまうことも考えられます。
契約の当時者となる場合は、自分で判断しないで、裁判所に相談をしてみて下さい。
裁判所には相談しにくい場合には、その時は、いつでもご相談下さい。

司法書士佐井惠子
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