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後見人の注意義務 電力株の売却は想定内 ☆成年後見 vol.5⑭☆  

2011年5月18日 公開 / 2012年9月20日更新

テーマ:成年後見契約と財産管理等委任契約

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 成年後見 手続き

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
大きく株価の変動はないとみられていた電力株ですが、
成年後見人に就任後、早々に他の株とともに電力株も売却していました。
今回の、東日本大震災を経験し、成年後見人の注意義務ということを考えています。

成年後見人は、善良なる管理者の注意義務(略して善管義務)を求められています。
「善良な管理者の注意義務」とは、職業や社会的・経済的地位に応じて、取引上一般的に要求される程度の注意義務のことをいいます。
親権者が、自己のためにするのと同一の注意をもって、未成年の子の財産管理をすべきとされているのとは異なります。

電力株は、株式といっても安定していて、株価の変動も大きくありません。
そのお金がないと困るといった事情もなかったため、売却せずに保有していてもいいかと思ったのですが、
やはり、後見人は安定・安全が第一という基本通りに、売却しておきました。
どんな優良株も、どんな安定株も、株式は株式。
リスクのあるものと改めて認識し、基本の大切さを再確認しました。

今回のことは、後見人の仕事をする上では、想定内のことだったわけです。
ひとたび成年後見人となると、報酬の有無や多少、あるいは親子であっても、
等しく、善管義務を求められています。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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