「任意後見人」より「補助人」と判断しました ☆成年後見vol.5⑥☆

佐井惠子

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テーマ:成年後見制度と制度・関係法律



こんにちは、司法書士佐井惠子です。
任意後見にも取消権が欲しいなあと思います。

任意後見契約を締結するために、打ち合わせを続けていたのですが、
5回目の頃でしょうか、それまでその方の能力に疑問を感じなかったのですが、
いよいよ任意後見契約を具体的に進めるために、財産目録を作ろうということになり、
預金通帳を見せてもらったのですが、投資信託でずいぶんと損をさせられていることがわかりました。

急きょ、方針変更です。任意後見契約プラス見守り契約をやめて補助の申立を提案しました。
契約の取消権が欲しかったためです。
任意後見人には取消権はありません。
外国の任意後見制度では、取消権はあるようですが、なぜか、日本の制度にはありません。

理屈の上では、任意後見契約も契約ですので、
本人の意思能力があって契約能力を理解できれば有効に締結できます。
例えば、補助人のついている方や、保佐人がついている方であっても、契約締結は可能です。
ところが、この能力の有無の判断は遺言書作成と同じように難しく、
いざ問題になったときには、改めて意思表示できない状態になっているため、
被補助人や被保佐人の場合には、これを作成する公証人も消極的です。

今回は、任意後見契約締結能力に問題はなかったと思いますが、
いざ後見監督人を選任するときになって、裁判所が、本人の保護のためには
むしろ取消権のある補助や保佐が必要と判断する可能性がありました。
その場合、せっかくの任意後見契約も日の目を見ません。
気が付いてよかったです。

司法書士佐井惠子
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