自宅で暮らし続けるために、保佐人の利用を ☆成年後見vol.11③☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
今日は、パシフィコ横浜で2010年成年後見法世界会議に参加していました。
世界的にも、成年後見人の主な受け皿は、その家族。
ただ、日本では、家族の力が痩せてきていて、その割合が減少しているという心配な報告もありました。
成年後見人の主役は家族です。
ご本人のことを、第三者後見人よりもずっとよく分かっているわけですから。
身寄りがいないとか、事情があって引き受け手のいない方について、
初めて専門職が登場するというのが本来です。
「日本における行方不明の高齢者問題・・・」なんて話は、外国の方には何のことだか分からなかったと思いますが、
家族後見人の割合が減ってきたという話に妙につながって、
多数を占める日本人参加者からは、珍しくどよめきがあがりました。
新井 誠教授の、世界的には任意後見が主流となっているのに、
日本ではまだまだ利用されていないこと、
また、法定後見人の選任に鑑定を省略する運用が拡大してきていることは、
審判までのスピードを生み、歓迎されているが、
医師の診断書一枚で、本人の行為能力を制限することになってしまうことに対して、
果たしてそれでいいのかという問題提起がありました。
正論と思う一方で、でも、それまでにいろいろと困ったこと、
消費者被害があって、ようやく決心して申し立てたというケースが多いだけに、
皆さん、審判が出るのを待ちわびているのが実情なんだけどなあと思ってしまいました。
最初のころのように、選任までに6ヶ月もかかっていては、
誰も利用できません。
鑑定がもっと短期間でできれば、一番いいのですが、
どうでしょうか。
一日中、同時通訳のイヤホンをつけての悪戦苦闘でした。
明日は、分科会に出席します。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com