保佐人制度の利用をお勧めする理由 取消権 ☆成年後見vol.11⑤☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
マイホーム・マイホーム・マイホーム!
誰しも、住み慣れた家で暮らし続けたいもの。
法律も、居住用建物又はその敷地については、
後見人といえども、裁判所の許可なしには処分できないと定めて、
本人の生活基盤の保護を図っています。
「処分」というと「売却」をイメージしやすいですが、これに限りません。
賃借しているアパートの契約解除や、逆に賃貸に出すことも含まれます。
その他にも、贈与したり、リバースモゲージ*、使用貸借契約により貸し出したり、
使用貸借により借りていた契約の解除をする場合も同様です。
実際、売却でなく、公団住宅の解約明け渡しの話をしている最中に、
「これは許可が必要!」と、慌てて許可の申立をした経験があります。
また、「居住用」不動産であるかどうかを限定的に考えるのではなく、
現在及び将来においての可能性、また施設に住所を移していても、
それまで暮らしていた住居については、家庭裁判所に許可を申立てましょう。
許可を得ないでした後見人の処分は無効となります。
これは許可されて当然と思える場合にも、許可申立は必要です。
一息おいて慎重に、ですね。
司法書士 佐井惠子
*リバースモゲージ
居住用不動産を担保にして生活資金の融資を受け、本人死亡時に担保不動産の処分により弁済させるもの