第34回 「新潟産鮭」と「おにぎり」が教えてくれたこだわり

スタッフ仲良く仕事ができている。それだけで十分だと思っていませんか? チームワークは素晴らしいことですが、それは「成果を出すための手段」に過ぎません。仲が良いだけの組織は、本当の危機に直面した時に崩壊します。 第38回は、10ヶ月のコーチングを通じて、店長が「仲の良いチーム」から「成果を追求する経営体」へとステップアップした成長の物語をお話しします。
前回、隙間時間を活用して新たな付加価値を生み出す技術を身につけた店長。店舗運営における効率と効果の両面で、非常に高いパフォーマンスを発揮できるようになっていました。 しかし、私は彼にコーチングの最終段階として、一つの重要な問いを投げかけました。「君はこの10ヶ月で、スタッフと本音で話し合い、トラブルに冷静に対応し、利益を出せるようになった。では、次の目標は何だ?」店長は答えました。 「スタッフとこの素晴らしい雰囲気の店を守ることです。」私は首を振りました。 「それだけでは足りない。スタッフを守るためには、店舗が常に進化し続け、地域で必要とされ続けなければならない。今の君のチームに必要なのは、仲の良さではなく、経営に対する『危機感』と『責任感』だ。」
【経営者としてのマインドセットを持つ】店長は、自分を「スタッフのリーダー」から「店舗の経営者」へとマインドセットを転換する必要がありました。私は彼に以下のステップを伝えました。
「現状維持」は「衰退」であると理解する: 売上が安定している時こそ、顧客ニーズの変化や競合の動きを見極め、次の施策を打つ。
スタッフを「家族」から「パートナー」に変える: 仲良くするだけでなく、互いに成果を求め合い、店舗の数字に対する責任を共有する。
「改善」をルーティンにする: 定期的に現在の業務プロセスを見直し、無駄を削り、付加価値を上げる努力を止めない。
【経営体としてのステップアップ】店長はさっそく行動に移しました。チームミーティングの雰囲気が変わりました。これまでは「どうすれば楽しく働けるか」が主でしたが、これからは「どうすればこのエリアの顧客満足度を上げ、利益を最大化できるか」という議論が中心になりました。スタッフも店長の真剣な態度に感化され、「自分の担当部門のロスを減らしたい」「新しい商品を提案したい」と、経営者目線での意見が出るようになりました。「店舗を守るためには、甘えを捨てて、全員が経営者視点を持つ必要がある。そのことをスタッフも理解してくれました。チームのレベルが、もう一段階上がった気がします」 店長は、本当の意味での「強い組織」を作った実感を得ていました。
【コーチの視点】リーダーの成長は、組織の成長と直結します。 10ヶ月前、店長は「自分がやらなければ」と全てを抱え込んでいました。それが今では、スタッフ全員が自分の役割と責任を理解し、店舗の未来のために動いています。 これが真の経営改善であり、コーチングがもたらす最大の変容です。あなたのチームも、仲の良いグループから、成果を生み出すチームへ進化させてください。
次回は、「第39回 「食の専門店」という旗印を掲げる」です。


