交換日記

原聡彦

原聡彦

テーマ:院長夫人コーチング~クリニック経営奮闘記~

【院長夫人の日々是勉強~クリニック経営のレシピ~VOL5】のテーマは交換日記です。
コラムの作者は私どもの院長夫人のクライアント様で私が尊敬する院長夫人です。クリニック経営の現場で起こっている事や日々の気づきを公開して頂いております。今回も関心の高い内容です。ぜひ、お読みください。


「交換日記」
私、常勤のリーダーナースと交換日記をしています。

彼女の紹介をさせて下さい。常勤になって、1年と3ヶ月です。
元は、総合病院の整形外科にいて、救急の夜勤もバリバリとこなしていました。
経験がものをいう世界です。外科系ナースとしての自信とプライドをもっています。

私の病院に勤務した経験から考えますと、珍しくないタイプのナースです。
そして、性格的には、強気だけれど、傷つきやすい。自己顕示欲が前面に出てしまうものの、叱られることを恐れていて、実はいつも不安。正義感が強く、院長の働きやすさを追求するあまり、他のスタッフを責めてしまうといったこともありました。

院長の目標を支持し、休まずにがんばってくれている間違いなくナースのエースなのに、他のスタッフに恐れられ、うまくチームを管理できずにいました。時間をとって話をしても、最終的に自分のすごさに話を転換させてしまうことがあり、私もしたい話ができないままになるということもありました。が、やっぱり、いてくれないと困る。腕のよいナースで賢明であることは、院長にも私にもよくわかるのです。

どうすれば、もう少しだけ、こちらの意向をうまく伝えることができるのか考えました。どうすれば、すてきなリーダーに育てることができるのか考えました。

21世紀なので、メールなどのほうがツールとして便利だという考えもありましたが、彼女の家族構成や、環境などを考えて、パソコンの前に座らなくても可能なツールとして、手書き交換日記を選択しました。

私の交換日記の提案を、彼女は快く受け入れてくれました。そして、始めてわかったことは、こちらばかりが伝えたいことが多く、彼女の伝えたいメッセージをきちんと受け取っていないのは私のほうだったということです。


交換日記


彼女と話をする時より、交換日記のほうが他のスタッフへの感謝の気持ちや、プラスのことばがたくさん語られていました。その後、リーダーとしての役割として彼女に、仕事前の各部署へのラウンドを理由を述べて提案したり、他のスタッフのフォローを依頼したりすると、期待以上に業務をこなし、話す言葉にも優しさが感じられ、他のスタッフへの不満を語っていても、以前とは違う印象をもつようになりました。

他のスタッフとの距離も縮まり、診察室での彼女の計らいが患者さんの待ち時間を短くすることの大きな要因になっていることや、院長の診療は、彼女の看護力あってこそということが、彼女の語りを通さずとも他のスタッフへも伝わるようになってきています。いつも、意見が一致するわけではありませんし、お互い腹の立つこともあるのですが、言いにくいので、語ることをさけるということは、交換日記の存在によりしなくよさそうです。

私は、彼女を従業員ではなく、プロの看護師として、彼女は私を院長夫人としてというよりは、プロのソーシャルワーカーとしてみているという基盤が、今のところよりよい関係に向かって、進める要因のひとつになっているのかもしれません。彼女は看護師という仕事に、熱意と誇りをもち、私もまたソーシャルワーカーに対して同じように考えています。

他のスタッフにとって私は、院長夫人以外のなにものでもありませんが、彼女に対してだけは、ソーシャルワーカーでいられることが、私にとっても、居心地のよさを感じさせてくれるのかもしれません。そしてまた、院長のお世話をする同志ということも、あるでしょうか。一歩間違えば、張り合い、競うことになるのかもしれませんが、彼女のキャラクターにより、そんな無駄な時間は使わずにスンデイマス。

今後も、意見が異なる場面に遭遇するでしょうが、私が困った時、間違いなく彼女を頼るだろうと思いますし、彼女に危機があれば、かけつけたいと思います。彼女との出会いにとても感謝しています。

最後までお読み頂きありがとうございます。感謝!

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原聡彦
専門家

原聡彦(医業経営コンサルタント)

合同会社 MASパートナーズ

院外事務長(事務長代行)、院長夫人コーチング、医療法人運営サポート、医院開業支援など、院長先生の経営のブレーンとして財務と人事の面から健全経営を継続できる環境づくりをサポートいたします。

原聡彦プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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