住まいの購入・売却・空き家、迷ったときはセカンドオピニオンへ

菊池浩史

菊池浩史

テーマ:住まい教育・消費者教育

「家を購入したいのですが、何から始めればいいでしょうか」「親の家が空き家のままなのですが、どうしたらいいですか」。私のところに届くご相談は、こうした問いかけから始まることがよくあります。

そして多くの方が「こんなこと、誰に聞けばいいのかわからなくて」と、同じ言葉を続けられます。私が「住まい教育」という活動を続けているのは、この一言にこそ、住まいの問題の入り口があると考えているからです。

住まいの購入や売却、賃貸、リフォーム、相続、空き家。人生のさまざまな場面で、私たちは住まいについての判断を求められます。ところが、その判断に必要な知識を体系的に学ぶ機会は、ほとんど用意されていません。

【衣食住のうち、「住まい」だけ学ぶ機会が少ない】
これは、個人の知識の量や能力の問題ではないと私は考えています。

衣食住は、人が生きていくうえで欠かせない生活の基本です。ところが衣服や食事に比べると、住まいについて学ぶ機会は、学校教育も含めて少ないのが現状です。毎日過ごす場所であるにもかかわらず、購入や売却といった場面以外で住まいを意識することは、あまり多くありません。

さらに、各人・各家庭の経済状況の違いが、住まいの選択に大きく影響します。持ち家か賃貸か、リフォームか住み替えかという判断は、正解が一つに定まりません。だからこそ、学校教育の中で標準的な住まい教育を実践することは難しい、というのが私の実感です。

そこで私が取り組んでいるのが「大人の住まい教育」です。大人の住まい教育とは、住まいについて体系的に学ぶ機会がないまま判断を迫られる方が、自分にとって何が大切かを考え、自分で選び、決める力を身につけるための学びのことです。

住まいの消費者教育研究所では、学校での住教育、地域での住教育、家庭での住教育、そして社会人向けの住教育という四つの場を対象にしています。学ぶ機会が少ないのであれば、機会そのものをつくるほかないと考えました。

【不動産会社の選び方に、正解はありません】
「いい不動産会社の見分け方を教えてください」というのも、本当によくいただくご質問です。

私が最初に確認するのは、会社の規模や知名度ではありません。その相手が、どの立場からあなたに答えているのか、という点です。

従来、住まいの相談に応じる仲介者は、事業者から報酬を得ることが多い仕組みでした。相談する側は無料で相談できる一方、仲介者は事業者の意向を優先しがちになります。私はここに、消費者と事業者の情報格差が生まれる原因の一つがあると考えています。

そのため住まいの消費者教育研究所では、報酬をお客様からいただく形をとっています。不動産会社等と資本関係を持たない独立した第三者として、お客様ご自身が選べるようにする。回りくどい仕組みに見えるかもしれませんが、立場をはっきりさせるにはこれが必要だと判断しました。

実際のご相談は、不動産会社等へ行く前と、行った後の両方から寄せられます。行く前であれば「購入していいのか、売却していいのか」「どこへ相談し、何から始めればいいのか」。行った後であれば「提案や見積もり、査定金額は妥当なのか」「契約書や重要事項説明書を見てほしい」といった内容です。

こうした場面で使っていただきたいのが、セカンドオピニオンです。セカンドオピニオンとは、取引の当事者ではない専門家が、中立的・専門的な立場から別の見方をお示しすることをいいます。住まいの相談サービスの詳しい内容は、こちらをご覧ください(https://mbp-japan.com/osaka/kikuchi/service1/5002495/)。

【住まいとお金は、住み替えや空き家と地続きです】
住まいのご相談は、たいてい一つの話だけでは終わりません。

住み替えのご相談が、今の自宅をどうするかという話につながる。リフォームのご相談が、老後の暮らしとお金の話につながる。住まいとお金は、切り離して考えられないものだと感じています。

そのため私は、住み替えのアドバイス、自宅に住み続けるためのリフォームや生活支援サービスのアドバイス、住み替えに伴う自宅の処分・有効活用のアドバイス、そして物件の内見や契約への同行・立会という形で、続けてご相談を受けられるようにしています。

資産価値についてのご質問も多くいただきます。ただ、将来の価格や利回りを言い切ることは私にはできません。できるのは、判断の材料を並べ、比較の軸を一緒に整理することです。ここを曖昧にしないほうが、かえって安心につながると考えています。

空き家も同じです。空き家を所有されている方や、これから空き家になりそうなご自宅をお持ちの方に向けて、住まいの終活講座を行ってきました。困ってから考えるのと、前もって考えておくのとでは、取れる選択の範囲が変わってきます。

これは「今は特に困っていない」という方にこそ、お伝えしたいところです。何もない時期に一度考えておけば、いざという時に慌てずに済みます。

【「大人の住まい教育」は具体的な悩みから入ります】
正直に申し上げると、「住まい教育を受けたい」とおっしゃる方に、私はほとんどお会いしたことがありません。

いっぽうで「家を買う前に備えておきたいこと」「60代からの住まいと老後」「親の家、どうする?」「マンションを買った後に困らないために」といったテーマには、多くの方が関心を持ってくださいます。

同じ内容でも、入り口の言葉が変われば届き方が変わる。私はここに、住まい教育を広げる手がかりがあると考えています。理念としては「大人の住まい教育」、入口としては「具体的な悩み」。この二重構造が有効だというのが、今の私の考えです。

背景には住まいの選択の特殊さがあります。住まい選びは、服選びとは違って繰り返し購入する経験がありません。そのため、十分に理解しないまま判断される場面も少なくないのです。

これまで、空き家所有者や空き家予備軍の方への住まいの終活講座のほか、住まいの購入や売却、維持管理に関する講座、不動産会社にお勤めの方への不動産の基礎講座、宅建等の資格に関する講座なども行ってきました(https://mbp-japan.com/osaka/kikuchi/service2/5004475/)。

私が都市再生機構でUR賃貸住宅の管理運営に30年近く携わり、その後に有料老人ホームの管理運営に加わり、大学院で高齢者住宅や不動産に関する情報の非対称性を研究してきたのも、結局は同じ問いに向き合ってきたからだと思っています。

住まいのことは、誰にとっても一生に何度もある出来事ではありません。だからこそ、専門家に任せきりにするのではなく「自分にとって何が大切なのか」を考え、自分で選び、判断する力を持っていただきたいと願っています。

【まとめ】
住まいは、専門家に任せきりにするものではなく、自分にとって何が大切かを考えたうえで選ぶもの。その力を育てることが、住まいの不安を小さくしていく道すじだと私は考えています。

・住まいのことで、何から始めればよいか分からない方
・不動産会社等からの提案や見積もりについて、別の見方を聞きたい方
・今は困っていないが、親の家や自宅のこれからを一度整理しておきたい方

大阪府三島郡島本町の住まいの消費者教育研究所では、「大人の住まい教育」の考え方をもとに、住まいのご相談を全国から承っています。対面のほか、オンラインやお電話でもご相談いただけます。お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

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菊池浩史

住まいの消費者教育研究所

住まいにまつわるビジネス経験や、不動産鑑定士としての専門的知見を活かし、顧客ファーストで「住まい教育」を普及・実践。住まい選びやメンテナンス、そして家仕舞いまで、ワンストップでトータルサポートします。

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