睡眠研修=未来への最高の投資

「午後になると、どうも集中できない」
午前中ならすぐに終わる仕事なのに、午後になると同じ文章を何度も読み返す。
会議中に眠気を感じる。
確認に時間がかかる。
いつもならしないような小さなミスが増える。
そんな経験はないでしょうか。
日中の集中力低下には、仕事量、疲労、ストレス、体調などさまざまな要因があります。
そのため、すべてを睡眠の問題と考えることはできません。
一方で、睡眠を考えるときに、「昨日は何時間眠ったか」だけを見ていると、
見落としてしまうことがあります。
働く人にとって大切なのは、
「何時間眠ったか」だけではなく、
「日中、どのような状態で働けているか」を見ることが大事だと思います。
睡眠は「夜」だけを見ても分からない
睡眠についてお話ししていると、
「6時間は寝ています」
「7時間寝ているので大丈夫だと思います」
という声をよく聞きます。
もちろん、必要な睡眠時間を確保することは大切です。
しかし、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠不足によって日中の眠気や疲労だけでなく、注意力や判断力の低下、作業効率の低下などが生じる可能性が示されています。
つまり、
睡眠時間という数字だけでは、その人の睡眠状態を十分に捉えきれない
ということです。
たとえば7時間眠っていたとしても、
朝から強い眠気がある。
仕事中に集中が続かない。
休日になると平日よりかなり長く眠る。
こうした状態が続いているのであれば、睡眠時間以外の部分も振り返る必要があります。
「日中の眠気」は仕事にも関係する
2025年に発表された日本の昼間勤務者17,963人を対象とした研究では、
日中に眠気を感じる人では、睡眠の訴えがない人と比べて、仕事の生産性が低い傾向が確認されています。
特に、出勤はしているものの十分なパフォーマンスを発揮できない「プレゼンティーイズム」について、
日中の眠気がある人では悪化が認められました。
さらにこの研究では、日中の眠気と関連する要因として、
勤務日の短い睡眠時間、
長時間労働、
ソーシャルジェットラグ、
なども挙げられています。
ここから分かるのは、
「眠いのは本人の自己管理不足」と単純に考えることはできない
ということです。
働き方や勤務時間も含めて考える必要があります。
もう一つ知っておきたい「朝型・夜型」
そして、働く人の集中力を考えるときに、もう一つ知っておいてほしいことがあります。
それが、
朝型・夜型という個人差です。
専門的には「クロノタイプ(時間型)」と呼ばれます。
朝早い時間帯に活動しやすい人もいれば、比較的遅い時間帯に調子が上がりやすい人もいます。
これは単に、「早起きが好き」「夜更かしが好き」
という好みだけの話ではありません。
私たちが持っている体内時計とも関係しています。
厚生労働省も、朝の光や朝食、規則的な生活が体内時計の調整や睡眠・覚醒リズムに関係することを示しています。
夜型だから仕事の能力が低い、ではありません
ここで注意したいことがあります。
「夜型の人は仕事ができない」という意味ではありません。
2025年に発表された65研究を検討したシステマティックレビューでは、
クロノタイプそのものによって認知機能が一律に高い、
低いとする明確な主効果は、多くの研究で確認されませんでした。
一方で、朝型・夜型それぞれが、自分の時間型に合った時間帯に課題を行った場合に、注
意、抑制、記憶などの認知機能を発揮しやすい可能性が示されています。
ここは、働く人にとって重要です。
同じ午前9時でも、
すでに頭がしっかり働いている人もいれば、
まだ本来の調子が上がっていない人もいます。
逆に夕方になると集中しやすくなる人もいます。
つまり、
「全員が同じ時間帯に同じような集中力を発揮する」とは限らない
ということです。
問題になるのは「夜型」ではなく、仕事時間とのズレかもしれない
2025年に韓国の働く人を対象として行われた研究では、夜型傾向の人は朝型の人と比較して、仕事能力が低いと評価される可能性や、健康に関連した生産性損失が大きい傾向が報告されています。
ただし、この結果を、
「夜型だから能力が低い」
と解釈するのは適切ではありません。
研究では背景の一つとして、
体内時計と、実際に働かなければならない時間とのズレ
が考えられています。
多くの会社では、午前8時、9時頃から仕事が始まります。
しかし、夜型傾向が強い人にとっては、その時間が身体のリズムと合っていない場合があります。
その結果、
十分な睡眠時間を確保しにくくなる。平日と休日の睡眠時間帯が大きくずれる。
午前中に強い眠気を感じる。
といったことが起こる可能性があります。
大切なのは、
朝型が正しくて、夜型が悪い
という考え方ではありません。
自分の体内時計と生活・勤務時間が、どの程度合っているのかを知ることです。
あなたが集中しやすいのは何時頃ですか?
一度、自分の働き方を振り返ってみてください。
・午前中のほうが考える仕事が進む
・午後になると集中力が大きく落ちる
・夕方から仕事が進み始める
・朝一番の会議では頭が働きにくい
・休日になると平日よりかなり遅く起きる
・月曜日の朝が特につらい
・十分眠ったつもりなのに日中眠い
こうした違いは、
単なる「気合い」や「やる気」だけの問題ではないかもしれません。
また、「夜型だから仕方がない」と決めつける必要もありません。
まず、自分は何時頃に集中しやすいのか。何時頃に眠気が強くなるのか。
平日と休日で睡眠時間帯がどのくらい違うのか。
を知ること。これが、自分の睡眠を考える第一歩になります。
企業では「全員同じ」だけで考えない
ここからは企業側にも関係する話です。
社員の健康管理として、
「7時間は寝ましょう」
「夜更かしをやめましょう」
と伝えるだけでは、睡眠対策として十分とは言えません。
働く人には、
睡眠時間の違いだけでなく、
朝型・夜型という個人差があります。
さらに、
勤務時間、
通勤時間、
長時間労働、
夜勤・交替勤務、
家庭での役割、
なども睡眠に関係します。
だからこそ企業で睡眠を扱うときには、
本人の生活習慣だけではなく、仕事との関係まで考える視点
が必要です。
特に、
集中力、
判断力、
ヒューマンエラー、
安全、
疲労、
セルフマネジメント、
を考える職場では、睡眠は無関係ではありません。
「午後に集中できない」で終わらせない
午後に眠い。
集中できない。
仕事が進まない。
そんな日があっても、それだけですぐに睡眠の問題とは判断できません。
しかし、同じ状態が繰り返されるのであれば、
「最近忙しいから」
だけで済ませず、
睡眠時間
+日中の眠気
+自分の朝型・夜型
+仕事をしている時間
という4つの視点で振り返ってみてください。
睡眠を整えるということは、
単に「早く寝る」ことではありません。
自分の身体のリズムを知り、それを日々の働き方の中でどう生かすかを考えること。
これも、働く人にとって大切なセルフマネジメントの一つです。
なお、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中の強い眠気や居眠りが続く場合には、睡眠障害などが背景にある可能性もあります。気になる状態が続く場合には、自己判断だけで済ませず、医療機関へ相談することも大切です。
企業・人事・研修担当者の方へ
社員の睡眠を、
「生活習慣の問題」だけで終わらせていませんか。
企業向け睡眠研修では、
・なぜ人は眠るのか
・睡眠不足と日中の状態
・集中力や判断力との関係
・朝型・夜型という個人差
・勤務時間と睡眠の関係
・疲労やヒューマンエラー
・自分の睡眠を振り返る方法
などを、仕事と結びつけながらお伝えします。
「睡眠は大切です」と知るだけではなく、
社員一人ひとりが自分の睡眠と働き方を振り返り、行動につなげることを目的とした研修です。
健康経営、安全衛生、一般社員向け、管理職向け、夜勤・交替勤務者向けなど、職場の課題に合わせた睡眠研修をご検討の場合は、研修内容についてご相談いただけます。


