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白石光彦

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白石光彦(しらいしみつひこ) / 漢方薬剤師

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コラム

『自粛警察の心理とは?』漢方スクール 大阪市 難波 光る堂

2020年6月16日 公開 / 2021年2月18日更新

テーマ:withコロナの健康法

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: メンタルヘルス 対策

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はい、白石です。

緊急事態が明けてそろそろ1ヶ月になろうとしているのに
マスクしている人が減らないどころか
逆にふえているような気がしますね。

熱中症大丈夫なんでしょうか?

私なんかマスクをせずに外を歩いていると
睨まれることもあります。

きっと自粛警察の人なんでしょうね。


そもそも自粛警察が言われ出したのは
緊急事態宣言がなされた4月上旬ですが
同月下旬にはトレンド入りするほど注目を浴びるワードとなっています。

たとえば警察への通報では

〇大阪府のコールセンターに「休業要請対象の店が営業している」という趣旨の通報が、4月下旬までに500件以上あった
〇「自粛中なのに外でカップルがいちゃついている」などというコロナ関連の通報が愛知県県に多数届く。5月中旬までに400件超
〇警視庁によると、新型コロナウイルス関連の110番が急増。東京都などに緊急事態宣言が発令された4月7日〜5月6日の1カ月間で計1621件に。休業要請対象のパチンコ店やスナックなどが「営業している」といった内容のほか、「公園で子どもがマスクをせずに遊んでいる」「橋の下でバーベキューをしている」といった内容

店舗への監視では

〇千葉県の休業していた駄菓子屋に「コドモアツメルナ オミセシメロ マスクノムダ」という貼り紙
〇東京都のライブバーに「安全のために、緊急事態宣言が終わるまでにライブハウスを自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます。近所の人」という貼り紙
〇大阪府の要請に従って時間短縮で営業していたラーメン店に匿名の手紙。「あなたの店の客が大声で会話している。『繁盛』イコール『公害』であることを忘れるな」

他にも他県ナンバー狩りでは

〇県外ナンバーの車に乗る県内在住者向けに、山形県は「山形県内在住者です」と太書きした『確認書』の交付を開始。県外ナンバーの車への嫌がらせが相次いだためという。『他県ナンバー狩り』に対し、和歌山県なども同様の「県内在住確認書」を交付
〇徳島県で県外ナンバーの車に乗る人があおり運転されたり、暴言を吐かれたり、車に傷をつけられたりする事例が相次ぐ。同県三好市は5月、「徳島県内在住者です」という車用の表示デザインを制作

などなど、とてもマジメで大人しいと言われた日本人がやったこととは思えないものばかりです。

東日本大震災の際にもその冷静な行動、助け合いの精神を世界から称賛された日本人、
あの品格のある日本人はどこへ行ってしまったのでしょうか?



ところが歴史的に見ると、
こういった行動は決して珍しいことではなかったのですね。

たとえば、江戸時代の「五人組」、戦時中にも「隣組」といった制度がありました。

これらは表向きは自治や治安維持のためのものでしたが
実際は相互監視・思想統制や共同責任など非常に窮屈な制度となり
当時の政府も日本人のそういった性格を知った上で利用していた側面もあったようです。


隣組では、戦争を批判するような発言を聞きつけた住民が
憲兵や特高警察に密告する行為はよく見られました。

まさに自粛警察の警察への通報と同じではないでしょうか?

両社に共通しているのは偏った正義感、どちらもよかれと思ってやっているところです。

ところがそれが同調圧力となり、行き過ぎると極端なバッシングとなってしまうのです。


それではどうしてそんなことが起こるのでしょうか?

脳神経学者の中野信子さんは
原因は日本人の脳にあると言っています。

日本人の遺伝的な特徴として「不安傾向」が非常に高いことがあげられます。

それは日本人の脳にセロトニン・トランスポーターが少ないからです。


セロトニンとはこの番組でも何度も出てきましたが
脳内ホルモンの1つで心のバランスを整えてくれるホルモンです。

これが十分に足りていると安心感を覚え、やる気も出ます。

別名「幸せホルモン」とも言われます。


だからセロトニンはたくさんあった方がいいんですが
これを調整するのがセロトニン・トランスポーターというたんぱく質です。

神経終末から分泌されるセロトニンを再度細胞内に取り込み、再利用します。

したがってこれが多いほど気持ちは安定し、少ないと不安を感じやすくなります。

実は日本人の97%の人がこの数が少ない、つまり日本人は世界一不安になりやすい民族なのです。



今回のコロナ騒動の根底にあるのは目に見えないものに対する恐怖です。

地震の被害なら目に見えるものなので、今は苦しくともいずれは何とかなるとも考えられるでしょう。

ところが相手は目に見えないウイルス、しかもインフルエンザと違って聞いたこともない名前のウイルス。

テレビでは毎日毎日不安をあおり、政府は緊急事態だと宣言する。

ただですら不安になりやすい日本人は恐怖のあまり思考停止を起こし
冷静に物事を判断する能力を失ってしまったのです。

冷静に見れば日本は感染者・死亡者ともに世界的に少なく、それほど恐怖を感じるものでもなかったのに。。

そして本来のマジメな性格が他人を攻撃する方向へと向かってしまったのですね。

これが自粛警察の心理です。

なんとも悲しい話ですね。


このようなことにならないためには根本にある恐怖を消し去ることです。

そのためにも必要なのは正しい情報です。

今はインターネットがあるのだからどんな情報でも手に入るはずです。

情報に基づいて、怖がるにしても適正に怖がらないと。


とはいえネットの情報は玉石混交。

ついついネガティブな情報に目がいったりするものです。

そんな時はやはり信頼できる人に相談することですね。

私なら世間に流されないから物事を冷静に判断出来ると思います。

だけど流されないのも善し悪しでね。

結局何がいいのやら死ぬまで分からないのかも知れませんね。


それでは今日はこんなところで。

またお会いしましょう!
See You Next!Bye!


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(株)光る堂代表取締役
漢方薬剤師 白石 光彦

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