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白石光彦(しらいしみつひこ) / 漢方薬剤師

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コラム

『病院がつぶれる。。本当の医療崩壊とは?』漢方スクール 大阪市 難波 光る堂

2020年6月13日 公開 / 2021年2月18日更新

テーマ:街の薬局から日本の医療を変える!

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 社会保障制度感染症対策

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緊急事態明けにブルーインパルスが大空を舞いました。

私は中学時代の同級生がそのメンバーだったということもあって、いやそれがなくてもブルーインパルスが大好きです。大阪の空も飛んで欲しかった。


だけど1つ違和感を感じることがあります。

あのブルーインパルスの飛行は医療従事者に感謝の意を表するためのものだったらしいんですが、

なんか最近テレビのCMでも医療従事者になんやらかんやらってのがよく目につきます。

よく分からんけど医療従事者はホントにそんなことで喜んでるのでしょうか?

確かにブルーインパルス大好きな私は喜んでたけど。薬剤師だけど。


もともと緊急事態というのは医療崩壊を防ぐためだったはずです。

ピークの山を前に持っていくとテレビでも学者の方が何度も説明していました。

自粛をせずにいるとピークの山が高くなり医療崩壊を招くからそれを防ぐためという話でした。

なるほどそれなら自粛も理解出来る。

実際コロナに対応しているのは一部の専門病院だけであって、そこに患者が集中するとキャパを越えちゃうということです。



ところがである。

問題はキャパの話ではなかったのです。


実は4月の収支で67%の病院が赤字になり、コロナ感染患者を受け入れた病院に限るとなんと78%が赤字でした。

原因は感染患者への対応や受診控えなどによる外来や入院患者の激減にあるようです。

これは大変な状況で、飛行機飛ばしてる場合じゃないと思ったのは私だけじゃないでしょう。


病院がつぶれる。。

今回のコロナ騒動でまさにそれが現実に起ころうとしているのです。

これこそ本当の医療崩壊ではないでしょうか?


だけどここでまた1つの疑問が生じます。

(病院行かなくてもいけるんじゃん。。?)


患者数の激減のために7~8割の医療機関が赤字ということですが、それなら相当数の患者が医療機関に行かずに済ませているということになります。

病院に行かなくても大丈夫なの?


たとえば国からは37.5度以上の発熱が4日間続かなければ病院に行くなと言われました。

これで医療崩壊を防げたとの意見もありますが、これで問題がなかったのなら、少々の熱なら病院に行く必要はなかったとも言えませんか?


あるいは以前から問題視されているのが、一部の高齢者に見られる病院を社交場のように利用している状況です。

よく笑い話にもありますが、顔なじみの人がたまに病院に来ないと

「あの人病気じゃないの?」

とかいうアレです。


また、コロナを警戒してマスクや手洗い、さらに集団生活まで自粛した結果、子供たちの感染症が激減したという話もあります。


これらは診療科別の患者数の減少を見ればよく分かります。

3月のデータですが、日経メディカルによる医師3668人への調査結果があります。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202003/564922.html

これによると、大きく患者数を減らしたのは小児科、続いて整形外科、消化器内科となっていますが、なるほどなって感じです。

(ちなみにもっとも影響が少なく今後増えていきそうと予想されるのが精神科です。)


さらにこの記事に書かれている医師のコメントには

「今までいかに不要不急の受診ばかりであったかがよく分かる。」
「もっと減るくらいでちょうどいい。ようやく通院が必要な人に時間をかけられる。」

といった声もあります。

これが医師の本音だとすると、以前から医療費の2割は無駄と言われていたのもうなずけるような気がします。


あるいは思い出して欲しいのが、2007年の夕張市の財政破綻による病院閉鎖です。

簡単に言うとある日突然病院がなくなったということです。

その結果夕張市に何が起こったのか?

これは当時夕張市に赴任していた森田洋之医師の記事を見ればよく分かります。
https://toyokeizai.net/articles/-/229314


病院がなくなったのですから医療費は当然激減しています。
けどそのために病気が増えたり手遅れで命を落とすような人が増えるようでは困りますね。

実際、夕張市の死亡総数と死亡率を見てみるとほとんど変化がないことが分かります。

さらに死因別に見てみると、日本の死因の三大疾患と言われる癌・心疾患・肺炎がおおむね低下しています。

代わりに増えたのが「老衰」です。

実は死亡診断書に老衰と書くのは簡単なことではなく、検査だけでなく家族との信頼関係も大事で
病院がなくなったから安易に書いているようなものではないと森田医師は語っています。

どうやら夕張市の病院閉鎖は悪いことばかりではなかったようです。


そういうわけでもちろん病院がつぶれるのは困りますが、一方で不必要な受診があったことも否出来ないでしょう。

ならばこの機会に安易な医療機関への金銭面での補助で終わるのではなく、根本的な医療改革に切り込んでいく必要があると考えます。


本当の医療崩壊とは膨れ上がる医療費による国の財政破綻です。

現在のの医療制度のままでは医療が持たなくなるのは火を見るよりも明らかです。

医療の問題は国民全体の問題。

国民全体の議論を望みます。

私も薬剤師として出来ることを提言していきます。


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