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白石光彦

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白石光彦(しらいしみつひこ) / 漢方薬剤師

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コラム

『コロナとマスク、ホントはどうなの?』漢方スクール 大阪市 難波 光る堂

2020年5月7日 公開 / 2021年2月18日更新

テーマ:withコロナの健康法

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 感染症対策花粉症 対策インフルエンザ対策

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はい、白石です。

今やみんな当たり前のようにつけてるマスクだけど
今回は

「本当のところマスクってどうなのよ?」

てな話をしたいと思います


最近ではマスクもやっと行き渡って来たみたいで
してない人をほとんど見かけなくなりました。

一時期はドラッグストアの開店前から行列が出来たり
中には取り合いで殴り合う人が出てきたりで
ホント大変だったんですが

今日歩いててビックリしたのが
カレー屋さんに

「マスクあります」

って張り紙してて
買い占めしてたのが余って来たんですかねえ。

とにかく何とかなってきたようでとりあえずはよかったです。


そもそもマスクって何のためにするのでしょうか?

もともと日本でマスクが使われたのは
明治初期で炭鉱などで働く人の粉塵除けが始まりと言われています。

ところが1918年、今から100年前に世界的パンデミックとなったスペイン風邪で
予防品として注目され、その後インフルエンザの流行の度に広まっていきました。

ようするに風邪の予防ね。

その後、1980年代になると花粉症が国民病と言われるほどに広まり
あるいは黄砂やPM2.5を防ぐために使われ
そして現在に至っているわけです。


そういうわけで日本ではカゼでも花粉症でも
予防のためにマスクをするのがふつうになっていて
そこへ今回のコロナということで
マスクの需要がさらに高まったわけです。

そこに目をつけた業者が転売のために買い占め
市場からマスクが消えるという大変なマスク騒動になったのです。

アベノマスクも役に立たなかったようで。



そんな中WHOがマスクを着けても
コロナ感染を予防できる根拠はないと言い出しました。

ところが後ほど他人にうつさない効果はあると付け加え
どっちなのッて感じで
ホント今回のコロナ騒動におけるWHOの失態は
これに限りませんがひどいものでした。


ではここでマスクの予防効果について検証してみましょう。

マスクの通気性(網目の大きさ)とウイルスの大きさを比較すると

マスクの網目 10~100μm
ウイルス   0.1μm

となります。

これではWHOが無意味というのも仕方がありません。


ではマスクは本当に意味がないのでしょうか?

コロナウイルスの主な感染経路は
飛沫感染と接触感染と言われています。

飛沫とはウイルスに水分や埃が付着して飛んでいるもので
5μm以上のものを言います。

それでもマスクの網目よりは小さいのですが
ある程度はトラップ出来ると考えられないでしょうか?

とはいえマスクを通さずに鼻の横などの隙間からの流入には無防備です。

これでは何とも言えないので実際に行われた調査を見てみましょう。


たとえば2008~2009年のフランスにおける調査で
インフルエンザの家庭内感染を調べてものでは
マスク着用群とコントロールでは有意差なしとなっています。

2008年の日本における医療従事者を対象としたマスク着用の有無による感染予防効果でも
統計的な有意差は見られなかったと報告されています。

他もいくつかありますが
現時点ではマスク着用のみでの調査報告は少なく
マスク着用単独およびマスクの種類による予防効果は明確でなく
差は認められていないということになっています。


これではいよいよマスクは無意味ということになり
ガッカリする方も多いかも知れませんので
こういう報告があることもお話しておきます。

2010年のアメリカの調査ですが
1437名もの学生を対象にしたもので
マスク着用群、マスク着用+手指衛生群、コントロール群に分け
6週間に渡り調査したものでは
マスク着用+手指衛生群が有意にインフルエンザの発生を低下させたという報告があります。

つまりマスク単独では効果はなかったものの
手洗いと組み合わせることにより効果が表れたということです。

やはり手洗いは大事なのです!


そういうわけでやっぱりマスクには効果があったんだ、
ただし手洗いとセットでね。チャンチャン!

ということになりそうですが
ここで終わるとただの一般論に過ぎないので
ここから私の意見をお話しましょう。


私自身はマスクは効果があると考えています。

これは今までお話をしてきたようなマスクの通気性などの面からではなく
体の側の防御力の観点から
ある意味漢方的な考え方と言ってもいいでしょう。

どういうことでしょうか?

それはマスクの保湿効果です。

マスク内は自分の呼吸が循環し湿度の高い状態にあります。
そのため鼻やのどの粘膜の乾燥を防ぎ感染に対する防御力を高めると考えられます。

これは一般的な健常者より元々鼻やのどが弱い人により効果があるのではないでしょうか?

実際、私も以前はよく風邪をひいていたものが
冬場や寝るときもマスクをすることによって
最近はほとんど風邪をひかなくなりました。

つまり鼻やのどのバリア効果を高めるということです。

ただし全体から見るとマスク単独ではデータに表れるほどではないのかも知れませんね。

風邪をひきやすい人はするべきだと思います。


そういうわけでなんとなくマスクについてその意味合いが分かって来たと思いますが
最後に私が危惧している点を1つお話させてください。

それは「新しい生活様式」なるものについてです。


先日の安倍首相による緊急事態宣言の期間延長の報告に引き続き
専門家会議による「新しい生活様式」というものが発表されました。

それによると一番最初に
・外出はマスクを着用する。

と出てきます。

とにかくこれからは当たり前のようにマスクをしろということです。

マスク賛成派のみっちー先生ならいいじゃないかとお思いかも知れませんが
実は生活様式までなるとそうとも言い切れません。

むしろ心配な点があります。


それは、逆に私からみなさんに聞きたいのですが
マスクをしたときとしないときでどちらが呼吸をしやすいですか?

これはたとえ布切れ1枚であってもマスクをすると繊維が空気の通りを遮るために
しないときよりは呼吸がしにくくなります。

結果、鼻だけでは呼吸がしにくくなり口を開いて呼吸をすることになってしまいます。

実際、ご自分でも試してみて下さい。

いつの間にか口呼吸になっているのに気づくと思いますよ。


本来動物は鼻で呼吸をするものです。
ですから空気の通り道である気道と食道は分かれています。

ところが人間はなぜか進化の過程で気道と食道がつながり口呼吸も出来るようになってしまいました。
おそらくしゃべるためかも知れません。

鼻は天然のマスクです。

鼻毛や粘液やが細菌やウイルスをくっつけて体内に入るのを防ぎます。
あるいは鼻を通る空気を温め加湿する働きも持っています。

つまりフィルターや加湿器でもあるのです。

ところが口呼吸になると細菌やウイルスを含んだ冷たい乾燥した空気が直接扁桃腺に当たるため、
感染症にかかりやすくなったり、
免疫のバランスを崩してアレルギー性疾患を起こしやすくなったりします。


マスクも冬の間するのはもちろんおすすめなのですが、
「新しい生活様式」で継続的にするとなると、
口呼吸の習慣がついてしまう恐れがあります。

withコロナの生活は短期間で終わるようなものではありません。
マスクも継続的にするように指導されるでしょう。

しかしそうなると口呼吸という落とし穴があること、
それによって感染リスクやアレルギー疾患のリスクも高まる恐れがあることも考えねばなりません。

長期戦とはそういうことなのです。


そういうわけでマスクについて延々とお話しましたが
いかがだったでしょうか?

口呼吸が気になる方は
ネットで「あいうべ体操」と検索してぜひやってみて下さいネ。

それではまたお会いしましょう!

See You Next!Bye!


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