ゴルフ伝来と日本初のゴルフ場“神戸ゴルフ倶楽部”
倶楽部を愛するが故の「プリンシプル」
軽井沢ゴルフ倶楽部で理事長まで歴任された白洲次郎さんは、避暑地のゴルフ倶楽部で、会員とその家族の親睦を図るという当初からの英国的な「プリンシプル」を貫き通しました。
会員は皆平等、ビジターを制限し、プロのプレーを禁止したのも、コースでは常に「play fast(プレーファスト)」を徹底させたりしてマナーに厳しかったのも、倶楽部を愛するが故だったとそうです。
ゴルフマナーは何も特殊なものではない!
たしかにゴルフマナーにはうるさい人でしたが、白洲さんに言わせれば、「ゴルフのエチケットやマナーというのは何も特殊なものではない、一人前のゴルファーならできて当たり前」ということになるのだと思います。
ショットをするときに動いてはいけないとか、パットのライン上に立たないなどということは、ゴルフをしてみないと分からないことですが、大部分のマナーなるものは、日常生活での「他者への心くばり」が身に付いてさえいれば、自然と出来ることばかりなのです。
バンカーショットの跡を直すとか、自分の作ったディボットは埋める、パッティンググリーン上のボールマークの修復をするなどということは、普段の生活で自分の後始末をきちんとする習慣があれば、やかましく言われなくても出来ることでしょう。
グリーンのホールカップの縁を傷めないとか、バンカーの縁の高いところを駆け上がらないなどということも、他人が丹精した物、みんなで共有する物を大切にしようという気持ちがあれば、当たり前のことなのです。
そうしたことに無頓着な人を見かけたとき、いやしくも軽井沢ゴルフ倶楽部の会員ともあろう者がなぜ出来ないという苛立ちが、白洲さんの中にあったに違いありません。殊に、社会的に地位の高い人の中には、普段周囲から大切にされすぎて、そうした後始末を自分でする習慣のない人もいるかもしれません。そうした人たちに対して、白洲さんは殊更に声を荒げました。どこのゴルフ場にも、マナーやルールにうるさい人が一人や二人はいたそうですが、白洲さんほど、どんな相手にもずけずけと歯に衣着せずに物を言う人は、他にいなかったでしょう。注意ではなく、叱責という感じだったそうです。
反面、キャディーやグリーンキーパーなど、ゴルフ場で働く人たちには無類に優しかったそうです。当時のそうした人たちに白洲さんのことを訊くと、異口同音に、あんなに優しい人はいなかったという追慕の言葉が返ってきたそうです。
夏冬を問わず朝早くから倶楽部を訪れ、コース管理に心を砕き、クラブハウスのベランダに座ってメンバーのマナーに目を光らせる。倶楽部に君臨した白洲さんは、会員にとっても、従業員にとっても、怖くて敬愛すべき存在だったのでしょう。
白洲次郎さんエピソード
最後に白洲さんのゴルフ場でのエピソードをひとつ。
当時総理大臣だったK.T氏が、ある日、軽井沢ゴルフ倶楽部に行った時のエピソード。K.T氏の秘書が「これからTがプレーしますので宜しく。」と挨拶すると、白洲さんは「Tと言う名前は犬の糞ほど沢山あるが、何処のTだ。」と聞きました。
秘書が「総理大臣のTです。」と言うと、白洲さんは「それは会員なのかね?」と聞き、秘書が「会員では有りませんが、総理です。」と答えると、次郎は「ここは会員の為のゴルフ場だ、そうで無いなら帰りなさい。」と言い、秘書を唖然とさせたそうです。
その後、正式に会員になったK.T氏。
ある日、プレーに行った時、ゴルフ場のトイレに「洗面所のタオルを無断で持ち出さないで下さい」と張り紙がありましたが、それを無視してタオルを持ち出そうとしたK.T氏に、白洲さんは「おい、お前は日本語が読めねえのか!」と言ったのでした。
※以上のお話しは逸話として残っていますが、真偽の程は定かではありません。
白洲次郎さんと兵庫県三田市
ここまで白洲さんについて、いろいろ書いてきましたが、私や有馬カンツリー倶楽部と白洲さんは、とくにご縁はありません。しいていえば、白洲家は江戸時代末期まで「三田藩」(現在、有馬カンツリー倶楽部の位置する兵庫県三田市)に代々仕えてきた儒学者の家系で、白洲さんのお爺さまは、藩校造士館の教授を務めていました。優れた先見性で幕末の三田藩を支え、明治維新後は、横浜正金銀行頭取や岐阜県大書記官などを歴任しました。また、三田市の心月院には、白洲次郎・正子夫妻の墓所があります。
引用及び参考文献
『白洲次郎』平凡社1999
『白洲次郎』河出書房新社 2002
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※インターネットでゴルフ規則の全文がご覧いただけます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rulebook/index.html
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