先代は結果で語り二代目社長はプロセスが大事
同族.家族経営の創業者である父は“無償の忠誠”や“我慢”を美徳としますが、二代目社長の息子は“理解し合うこと”や“納得感”に価値を置いており、社内で対立が起こるケースがあります。以下に、その原因と手っ取り早く出来る改善策を整理していきたいと思います。
価値観の衝突が引き起こす社内外の問題
創業者である父親の「無償の忠誠」や「我慢」を美徳とする考え方は、会社をゼロから立ち上げ、苦難を乗り越えてきた経験に基づいています。これは、過去の日本企業において「滅私奉公」とも表現される、組織への献身を求める強いリーダーシップの形であり、会社の存続と成長のために従業員が一体となって尽くすことを期待します。
一方、二代目社長の「理解し合うこと」や「納得感」に価値を置く考え方は、現代のマネジメントにおいて重要視される「エンゲージメント(貢献意欲)」や「心理的安全性」の概念に近いものです。社長は、従業員が経営方針や業務内容を深く理解し、自ら納得して業務に取り組むことで、主体性や創造性を引き出し、離職率の低下や生産性の向上に繋がると考えています。
この二つの価値観の衝突は、単なる意見の相違にとどまらず、以下のような社内外の問題を引き起こす可能性を含んでいます。
従業員の混乱とモチベーション低下:
従業員は、会長と社長の異なるメッセージに板挟みになり、どちらの価値観に従えば良いか分からなくなり、混乱します。
特に、若手従業員は「無償の忠誠」や「我慢」といった価値観になじめず、不満や不信感を抱き、モチベーションの低下や離職に繋がる可能性があります。
組織の一体感の欠如:
経営層の価値観が統一されていないと、組織全体としての方向性が見えにくくなり、一体感が失われます。部門間の連携も希薄になり、業務効率の低下やイノベーションの阻害要因となることもあります。
事業承継の困難化:
会長と社長の対立は、円滑な事業承継の妨げとなります。経営哲学の不一致は、後継者育成の遅れや、承継後の経営の不安定化を招くリスクがあります。
改善策1. 相互理解と共通基盤の構築
会長と社長がそれぞれの価値観の背景にある「目的」を理解し、「共通の目標」を見出すことが重要です。
個別対話と背景の理解:
感情的にならない第三者(経営コンサルタントなど)を交え、会長と社長が個別に、そして後に対面で、それぞれの価値観が生まれた背景にある経験や、会社に対する「想い」を語り合う機会を設けます。
会長には「無償の忠誠」を通じて会社を守り、成長させてきた「強いリーダーシップ」と「責任感」があること、社長には「理解と納得」を通じて従業員の「主体性」を引き出し、新たな価値創造を目指す「変革への意欲」があることを明確にし、互いの強みとして認識し合います。
共通の経営理念・ビジョンの再構築:
ビジョンの再構築: 会長と社長が共有できる「会社の存在意義」や「目指すべき姿」を改めて言語化します。
例えば、「顧客と従業員の幸せを追求し、社会に貢献する」といった、両者の価値観を内包する上位概念を設定します。
これにより、個々の価値観の相違を超えた共通の羅針盤を確立し、会社全体で目指す方向を明確にします。組織変革のゴールは、最終的に「経営のイシューを解決すること」であり、その根っこにある課題を現場で探ることが重要になってきます。
改善策2. コミュニケーションプロセスの改善
価値観の対立を解消するためには、コミュニケーションの方法そのものを改善する必要があります。
「納得感」を生む対話のプロセス構築:
社長が重視する「理解し合うこと」「納得感」を、会長との対話にも適用します。社長は会長に対し、新しい施策を提案する際に、その背景にある考え方、目的、期待される効果、潜在的なリスクを丁寧に説明し、会長が納得できるまで議論を尽くす時間を持つようにします。
会長の長年の経験に基づく意見や懸念は、貴重なアドバイスとして傾聴し、可能であれば計画に反映させることで、会長の「我慢」ではなく「理解」を得る姿勢を示します。
「巻き込み力」を活用した変革の推進:
社長は、会長だけでなく、他の幹部や従業員を「巻き込み型リーダーシップ」によって変革のプロセスに巻き込んでいく必要があります。
具体的な施策を進める際は、まず小さな成功体験を積み重ね、その成果を可視化して共有することで、会長や他のメンバーが「納得」し、変革の必要性を「理解」できるよう促します。
特に、従業員が変化の必要性を認識することが重要であり、彼らの行動が組織全体に与える影響を理解させることで、新しいマインドセットを受け入れる準備が整います。
改善策3. 明確な役割分担と権限委譲
役割と権限を明確にすることで、互いの領域を尊重し、不要な干渉を避けます。
戦略と実行の棲み分け:
会長は「無償の忠誠」で築き上げてきた会社の「守り」の部分、例えば財務基盤の安定や、長年の取引先との関係維持など、会社の持続性を担保する戦略的な役割に注力してもらいます。
一方で社長は、「理解と納得」に基づく「攻め」の部分、具体的には新規事業の立ち上げ、組織文化の改革、人材育成制度の刷新など、未来を創造する実行部隊としての役割と権限を明確に委譲します。
リーダーシップの連携:
組織改革の成否は、経営陣のリーダーシップにかかっています。会長は引き続き組織の求心力として存在し、社長は新たなビジョンを掲げ、従業員を巻き込みながら具体的な実行をリードします,。この連携を強化するため、定期的な経営会議を設け、戦略の進捗状況や課題を共有し、互いの役割を認め合う場とします。
外部の専門家の活用:
感情的な対立を避けるためにも、経営コンサルタントや社外取締役といった第三者を活用することを検討します。客観的な視点から、両者の意見を整理し、合理的な解決策を導き出す手助けとなります。
結びに
これらの改善策を通じて、創業者である父親のより現実的な「美徳」と、二代目社長のより理想的な「価値観」がそれぞれ会社の強みとして活かされるようになります。
理想と現実が融合され、新しい時代の要請に合った経営方針にも繋がっていきます。
会社が一枚岩となることで、自然と家庭のわだかまりも解消に向かうことが期待できます。
何から手をつければいいか?
どういった順番で取組めばいいか?
応援してほしい・一緒に考えてほしい等
先ずは、お気軽にお話をお聞かせください
下記のブログとサイトからお問い合わせや申込みが可能です ご参照ください
中見出し]跡継ぎ(後継.二代目)悩み応援サポート那覇ブログ[/中見出し]
☞ https://telblob.ti-da.net/

同続.家族経営の先代社長.二代目社長や後継予定者を含む
「経営者」とその「ご家族」の皆さまへお知らせします
ビジネスやプライベートで気掛かりな事はありませんか?
誰にも話さず抱え込むと精神的にも肉体的にも疲弊します
「話すことで楽になった」との声を数多くいただいております
ストレス解消に! 不安解消に! 現状の善し悪しの判断に!
ZOOM(全国対応)と出張訪問で対応中 お気軽にお問合せ下さい
詳しくはコチラから☞ https://soudan-aite.net/anshin-suppor



