先代の成功モデルが通用しない同族.家族経営の二代目

上原輝夫

上原輝夫

テーマ:同族.家族経営の二代目社長のお助けコラム

同族.家族経営の会社では、先代が築き上げた成功モデルは、多くの実績を残し、信頼と安心が社内に根付いています。
しかし、そのモデルが現代の市場環境や社会構造に合わなくなったとき、二代目社長が改革を試みても、社内からの強い抵抗に直面することが少なくありません。
これは単なる「変化への恐れ」ではなく、組織深層に根ざす構造的な問題であり、対処には多面的な視点が必要です。以下にその原因と対策を整理していきます。


原因①:成功体験の神格化と“失敗の許されない空気”

先代が築いた経営モデルは、会社の礎であると同時に“神格化”されていることが非常に多くあります。
社員は「これで成功してきた」「創業者は間違わなかった」という前提で行動していて、新しい提案に対して「それで失敗したらどうする」といった懐疑的な姿勢を示します。
特に長年勤めてきた古参社員ほど、過去の成功体験に強く依存し、新しい方針に対して心理的な拒否反応を示す傾向にあります。

改善策:“変革の必然性”を可視化し危機感を共有

自社の現状が過去の延長線では通用しなくなっている事実を客観的に示すことが必要です。業績推移、市場シェア、顧客ニーズの変化などをデータで可視化し、「変わらないことのリスク」を社員と共有することが大切です。この“危機感の共有”が、変革への第一歩となってきます。
また、変化は「先代の否定」ではなく「時代に合わせた進化」であるというメッセージを繰り返すことで、心理的抵抗を和らげていけます。

マインドセット

原因②:二代目への懐疑とリーダーシップの未成熟感

社員の中には、二代目社長を「血縁で就任しただけ」とみなし、先代と比べてリーダーとしての信頼が十分にできていないケースがあります。
変革の提案が二代目自らが発信されたものであるほど、「本当に会社のためになるのか?」「先代はそんなことしなかった」といった評価バイアスがかかり、組織全体が腰を上げようとしなくなります。

改善策:小さな成功を積み重ねて“信頼資本”を築く

変革は一気には進みません。先ずは、現場に関わるテーマで成果を出し、「この人の判断は信用できる」という認識を社内に根付かせる必要があります。
業務改善、制度の刷新、新サービスの導入など、社員と協働して成果を出すことで、二代目の存在が“行動する経営者”として認識されるようになってきます。こうした信頼関係の蓄積が、将来のより大きな改革への土台となっていきます。

ピンチはチャンス

原因③:組織文化の硬直化と“変化の担い手”の不在

長年同じ価値観・同じ顔ぶれで運営されてきた同族.家族経営の会社では、「変革を起こす役割」そのものが不在であるケースが少なくありません。社内に変革を推進できる人材や部署がなく、二代目社長が単独で動こうとしても、組織全体が受身になってしまっています。

改善策:“変革チーム”の設立と外部の視点の導入

変革を進めるには、志を共有する社内メンバーで構成されたプロジェクトチームの設立が効果的です。部署横断で「自社の進化」をテーマに議論できる場を設け、方針や取り組みを少しずつ形にしていくことが大切です。
また、外部コンサルタントやメンターを活用して「第三者の視点」から変革の必要性を伝えることで、社内の納得感や当事者意識が高まっていきます。

第三者

結びに:変革は“否定”ではなく“継承と進化”のバランスから始

同族.家族経営の会社における改革は、先代への敬意を持ちつつも、「自分の代に必要な形へと進化させる」という覚悟が不可欠です。
抵抗を恐れるよりも、変えないことのリスクを直視し、自社の未来に責任を持つ姿勢こそが、周囲の信頼と共感を呼び込む。二代目社長の挑戦は、会社の“第二創業”とも言えるフェーズです。
二代目社長の、時代にマッチしていく成功モデルと変革への抵抗こそが、第二創業期の礎になり、進化の歴史を推進していくものとなっていきます。




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上原輝夫
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上原輝夫(経営・生き方・終活カウンセラー/行政書士)

行政書士ヒューマンサポートオフィス

資格と前職での経験、これまでの実績を最大限に活かし、「会社と家族の相談相手」として、経営・メンタルケア・終活を応援、サポートします。お客さまにとって何でも話せる気軽で身近な相談相手を目指しています。

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