銀行融資では決算書の「焦げ付き」をチェックされる
銀行や信用金庫や政府系金融機関の融資審査では、決算書の「減価償却費」がチェックされます。減価償却とは、会社で購入した資産を法定耐用年数の期間で、分割して費用計上する会計処理です。例えば、簡便な説明ですが、軽トラック(耐用年数4年)を100万円で購入した場合は、100万円÷4年=25万円。4年間にわたって毎年25万円を「減価償却費」として費用計上が可能になります。
減価償却は、税法によって計上できる「上限額」が定められています。但し、上限額の範囲内であれば、どれくらいの金額を計上するかの判断は、その会社の任意となっており、1円も計上しないことも認められています。利益の出ている会社では上限いっぱいまで、収支が赤字やトントンの場合は、計上すると赤字が増えるため、計上を見送るケースが多くなっています。
但し、銀行の審査では、この減価償却をあくまでも「上限額」まで実施しているかをチェックしています。決算書の「別表16」には工場等の場合で、建物や機械や設備の種類別に「減価償却不足額」が記載されています。そこで、減価償却費が計上されていないと判明した場合は、その不足分を利益から差引いて、正味の利益へ修正を行います。その結果、修正された利益で、申込みの融資の返済が可能であるかを判断します。
減価償却費の計上は税法上、任意であっても計上をしなければ、本当の会社の実力が見えなくなります。計上しなければ、銀行の融資審査でも利益操作をしていると判定をされてしまいます。社長さんには、小手先の黒字ではなく、真の実力を評価される会社作りが求められます。
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