銀行の信用格付けを経営に活かす
銀行や信用金庫や政府系金融機関の融資審査では、決算書の「買掛金」がチェックされます。買掛金とは商品を仕入れた時に、支払が済んでいない、未払いの場合に使用する勘定科目です。買掛金の残高が多かったり、動きが遅いと融資の際に銀行は警戒をします。審査では、買掛金の支払サイトを計算します。
支払サイトとは、仕入れた商品代金の発生日から、その支払までの期間を言います。月末締・翌月末日振込であれば、支払サイトは「1ケ月」です。申込みの際に提出した決算書に、例えば、買掛金が2,000万円で、仕入が1億2,000万円と記載されている場合は、単月の平均仕入額は1億2,000万円÷12=1,000万円です。買掛金2,000万円÷単月平均1,000万円=2 支払いサイトは「2か月」になります。
この結果を基に、銀行は申込先に対してヒアリングを実施し、買掛金残高は正常な金額かどうか確認を行います。買掛金が仕入高の2カ月以上の残高があるものの、それに比して商品が少なかったり、売掛金とアンバランスだった場合は、販売価格を低く設定し、乱売しているケースが発覚することがあります。また、支払いサイトは決算書上は2ケ月にも関わらず、1ケ月の回答があった場合には、資金繰りが悪く、支払全般が遅延しているのではないかと疑念を持たれるケースさえあります。
仕入先のメーカーの決算価格で割安となり、決算月にいつもより商品を多く仕入れたり、決算日が土日で支払いが「期」を越えて行われたりする場合もあり、一概に資金繰りが悪いとは言えない状況であることも多く見られます。社長さんには、銀行側からのヒアリングの際には、的確に積極的に回答が出来るよう、普段から財務に関心を持ち、説明を尽くすことが求められます。
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