過度の節税は現金を減らすだけ

上原輝夫

上原輝夫

テーマ:社長相談.経営の安心サポート1分コラム

「経費が多ければ 税金が少なくなる」のは云わずと知れたこと。それならばと….利益が増えて税金を払うより、経費を増やして、税金を少なくしてやろうと目論む個人事業主の方が多いのですが、税金を減らす事=手元の現金が減ることを、理解しないと困る事にもなりかねません。

例えば、大まかになりますが、年間の収入が800万円の場合で、経費額が300万円の場合、800万円-300万円=500万円が所得税の対象になります。支払う所得税は500万円×20%=100万円で、100万円を支払っても400万円の現金は手元に残ります。

ここで、100万円の税金を支払うのが嫌で飲み食いを増やしたり、旅行気分でセミナーに参加したり、必要性の低い備品を買いまくって、経費を200万円を増やし 計500万円の経費にしました。800万円-500万円=300万円、300万円が所得税の対象に300万円×20%=60万円。60万円支払って、手元に残るのが240万円です。

経費を200万円増やすことによって、100万円の税金を60万円に減らす事に成功しました。一方、手元に残る現金は、400万円だったのが240万円に減ることになります。単純に考えると、税金を40万円減らすために、手元の現金が160万円も減ってしまったと云うことです。

節税対策

必要な経費であれば特に問題ではありませんが、節税のために経費を増やすことが浪費に近ければ、凄く勿体ない話です。仮に、この後に、新しいビジネスの準備に300万円近く必要であったなら、経費を増やさなかった場合は、即、対応が可能ですが、過度な節税をして現金を減らした場合には、追加の資金調達が必要になります。調達が遅く、ビジネスチャンスを逃すこともあります。                 

過度な節税よりも、必要な経費は惜しまず支出し、そこでかかった税金は躊躇なく支払い、今後の事業の為に現金はストックしておくことが、何よりも肝要になってきます。過度の節税は手元の現金を減らすだけです。

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上原輝夫
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上原輝夫(経営・生き方・終活カウンセラー/行政書士)

行政書士ヒューマンサポートオフィス

資格と前職での経験、これまでの実績を最大限に活かし、「会社と家族の相談相手」として、経営・生き方・終活を応援、全力でサポートします。お客さまにとって何でも話せる、身近な相談相手を目指しています。

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