○鍵は物件そのもの○

宮本裕文

宮本裕文

テーマ:不動産トラブル

鍵は物件そのもの

強いクレーム 当事者意識の欠如

(クレーム事例)
売主Aから、宅建業者Bは、現在空き家となっている売り物件の鍵を預かっていた。
ある日、他業者Cから物件案内の依頼がきた際、宅建業者Bは都合がつかなかったため、他業者Cだけで顧客を案内できるよう鍵を渡してしまった。

ところが、他業者Cが顧客を案内した際、一室の窓を閉め忘れて帰ってしまった。

数日後、売主Aが建物のメンテナンスに訪れたところ、閉め忘れた窓から雨が降り込んだらしく床が腐食していた。「私の承諾もなしに、勝手に他業者に鍵を貸し出したり、見学者を案内するとは!」と強い調子でクレームがあった。

学ぶこと

「鍵の受け渡しをもって所有権の受け渡しとする」、とされることからもわかるように、所有者にとっては、鍵=資産(物件)そのものと言ってもいいほど大事な物と考えられています。
それにもかかわらず、大事な預り鍵を自社の在庫商品のように扱い、他業者に無頓着に貸し出してしまうことは決して許されないことだと思います。

まさに、一瞬で売主からの信頼をなくす行為となります。

鍵を貸し出しする場合は明確なルールを決め、貸し出し先とは書面にてルールを確認し、また、鍵の使用方法については、売主に事前に説明しておく必要があると思います。

コンプライアンス

鍵の貸し出しに関するトラブルは実は売買よりも賃貸管理の現場でよく見受けられます。当然、貸主から預かる鍵の数もかなり多く、管理責任も重大となります。

他業者のみで物件案内をする場合などは、鍵のかけ忘れ、窓の閉め忘れ、カーテンの閉め忘れなど十分な注意が必要となります。



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宮本裕文
専門家

宮本裕文(宅地建物取引業者)

有限会社富商不動産販売

障がい者(心と体)に特化した賃貸住宅入居支援の専門店です。また、宅建士として37年の知見を基に不動産お役立ちコラムを発信しています。

宮本裕文プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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