差押え。税金の場合。
自力救済の禁止。
●事例
賃貸借契約書には、「借主が賃料の支払いを、約定日から10日以上怠った場合には、貸主は、直ちに物件の鍵の交換をすることができ、また、その後7日間経過した場合は物件内にある動産を、借主の負担で貸主が自由に処分できるものとする。借主は一切の異議申立てをしない。」との特約条項が存在しています。
●貸主・管理業者は家賃滞納者に対し、特約条項に従い、鍵を交換できるのか?
(裁判所の判断)
「上記のような特約は、貸主側が自己の権利を実現するため、法的手段によらずに、通常の権利行使の範囲を超えて、借主の平穏に生活する権利を侵害するということがいえる。」
「このような手段による権利の実現は、法的手段での権利の実現が不可能な場合、著しくは困難であると認められる緊急時など、やむを得ない特別な事情が存在する場合を除くほか、原則として許されない。」
「本件特約は、そのような特別な事情がない場合に適用されているので公序良俗に反し、無効であるといわざるを得ない。」として、貸主・管理業者に対し、不法行為に該当するとし、損害賠償責任を認めました。
私のコラムでは度々「自力救済の禁止」の話をしています。貸主・管理業者にとっては歯痒く思うところも正直ありますが、保身のためにも法的手段を選択しなければいけません。
●家賃滞納対策としての「あらゆる居住妨害」は不法行為とされる可能性が高いと思います。
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