事故物件って?(自然死があった事実の告知はどう考える)

宮本裕文

宮本裕文

事故物件。


ちょっと一息しませんか。

●事故物件!

・不動産の物件では、「事故物件」という言葉をよく耳にします。事故物件になると空室
が長く続いたり、通常より安い賃料にしなければならない場合あり、このことが貸主の
大きなリスクとなっています。

●ところで、この「事故物件」とは、どのような状態を意味するのでしょうか?

・一般的には、入居者など室内で亡くなった人がいる物件、建物内での自死や他殺、
火災による焼死、不自然死、事故死など、人の死にかかわる事件があった物件などの
心理的なものと、過去に大雨による床下・床上浸水や地震による損傷、雨漏りなどの
物理的なもので、これらをあわせて「事故物件」という場合もあります。

●建物内での死亡のなかでも自然死について、説明義務はあるのか?

・宅地建物取引業法では、35条及び47条で説明しなければならない重要な事項や
故意に事実を告げないこと等を禁止していますが、自然死についてはどう考えられて
いるのでしょうか。

まず、35条では必ず説明しなければならない事項が定められていますが、その中に
は死亡者がいたかどうかを説明することは含まれていません。
意外ですが、法律的には、「必ず説明しなければならない事項」にはなっていません。

では、いわゆる自然死の場合、重要な事項として説明しなくてもいいのでしょうか?

業法35条は上記の通りですが、47条では、業者が相手方の判断に重要な影響を
およぼすものについて、故意に事実を告げないこと等を禁止しています。
しかし、多くの判例では一般的に病気や老衰による自然死は重要な影響をおよぼす
とは該当しないと判断されているため、特に説明の必要はないと考えられています。


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